こんにちは、にしむー2.0です。
愛知県の田舎で夫婦二人ブックカフェを営んで5年目になります。ここではカフェを開きたいという夢を持つみなさんに、小さなカフェの始め方をお話ししています。
先日、「物件を探す方法を具体的にお伝えする」という記事を書いたのですが、その前に「希望の物件を見つけるための準備」があったのを思い出しましたので、今日はそちらをお伝えします。少しでも役に立てれば幸いです。
【カフェ物件の基本的な探し方】
カフェを始めたい人にとって必ず通る道である『物件探し』。方法は、
・インターネットで『地域名+飲食店+物件』や『地域名+不動産屋』で探す
・不動産屋さんに連絡を取る
ということです。これを繰り返すことが基本となります。
インターネットで探すことは簡単ですが、ネット上にある物件が全てではありませんし、既に契約済みのものがいつまでもあったりもします。そのため、不動産屋さんに直接電話をして良い物件がないか聞くということが物件探しの一番の行動になってきます。
ですが、何の準備もなく不動産屋さんに電話をかけて『カフェをしたくて物件を探しているんですけどー』と伝えても、相手にされません。なぜなら、どんな場所でどんな建物でどれくらいの広さでといった具体的な条件が見えてこないからです。
カフェの物件を探すためには、自分の求める物件はどういうものなのかを明確にして、それを「希望物件の条件」として言語化しなくてはいけません。それが前準備です。
それでは、事前に準備しておくべき具体的な項目をいくつか考えてみます。
スポンサーリンク
【カフェ物件を探すための準備】
カフェの物件を探す際には、どのような物件を探しているかという「希望条件」を伝えることから始まります。希望条件がはっきりしないことには、不動産屋さんも提案しようがありません。まずは以下の4項目について考えてみましょう。
エリア
出店希望エリアです。まずは●●市や〇〇町といった大体のエリアを決めます。決めるための要素は、自分の地元だったり、カフェを開きたい憧れの場所だったり、景色のいい場所、人通りが多くお客さんが来てくれそうな場所だからといったことでいいと思います。
どこのエリアが良いといった正解はありません。人通りが多いところだとお客さんが来てくれるイメージがあるかもしれませんが、その分競合も多くなり家賃も比較的高くなるので必ずしもメリットばかりではありません。山奥のカフェでもお客さんが訪れるように、カフェの立地というのは一般的な飲食店の考え方に当てはまらないことも多いのです。
「細かい場所は決まっていないけれど、景色のいいところでカフェをやりたい」といった夢はよく聞きますが、「景色のいいところ」を条件に探そうとしても不動産屋さんには相手にされません。最低限希望するエリアを●●市〇〇町ぐらいには絞っておきましょう。
逆に「△△駅のすぐ側」や「□□通り」という細かいところまで決めてしまうと、逆にヒットする物件の数が減ってしまいます。都会では駅の周りだけでもさらに絞らないといけないくらい多くの物件が出てくることもあるので地域差や程度問題もありますが、市や町ぐらいは絞っておいた方がいいです。
件数が多い場合はそこからさらに絞ったり、逆にあまりにも見つからない場合はそのエリアを中心に拡大していけばいいのです。
大きさ(坪数)と駐車場の有無
物件探しの際、店舗の大きさは坪数で表されます。ネットで物件を探してみても坪数表示ですし、いろんなカフェ開業本やネットで調べると、「一人で営む店なら10坪くらいがいい。」、「席数は、坪数×1.5で考えなさい」と言う風に書かれています。
1坪というのは2畳(たたみ二枚)分と言いますが、私は普段から坪数で考える癖がついていなかったので全然イメージできませんでした。畳を何枚敷いた大きさがいいかなんてわからない人も大勢いるのではないかと思います。
なので私は、物件の大きさを決めるには「自分がイメージするカフェと同じくらいのお店のサイズにする」というやり方をオススメします。
カフェが好きでカフェを開きたいというみなさんであれば、いろいろなカフェを見て回り、その中で「これくらいの規模のお店がいいなぁ」というのがあると思います。
本当は実際にそういった「理想と同じ大きさのカフェ」でバイトでも無給の修行でもいいので働いてみることをオススメします。適当なチェーン店で働くよりも多くのことが学べます。
ですが、そこまでしなくても、帰りのお会計の際に「将来カフェを開きたくて、このお店くらいの大きさがいいなと思ってるんですが、差支えなければどれくらいの坪数なのか教えていただきたいです。」と伝えれば大抵の場合は教えてもらえると思います。
そういった情報を参考にして、「自分のしたい店と同じくらいの大きさのカフェの坪数」を希望する大きさに設定するといいと思います。
また、郊外のお店の場合は駐車場の有無は死活問題になります。本当は席数と同じだけの駐車台数を停めれる場所があればいいのですが、さすがにそんな広い駐車場を持っている物件はありません。少しでも多く、また近くに月極めなどで借りられる他の駐車場があることも条件に入れておくことをおすすめします。
お店の大きさに関しては、もう一つ意識しておかないといけない考え方があります。それは、必要な売上が達成できるサイズなのかということです。
毎月100万円の売上を最低ラインと設置しているのに、このサイズのお店では毎日5回転以上しないといけないなんてことにあとから気付いても遅いです。また、広すぎるお店にしたことで予定人件費を大幅に上回ることになったなんてことも起きかねません。
理想とするお店を参考に決めるのであればそこまで大きく外すことはないと思いますが、カフェの物件のサイズを決めるときには「売上目標が達成できるか」「お客様が居心地よく過ごせる席数か」など複合的な考え方が重要になります。
家賃予算
家賃は非常に重要です。全く考えもなく身の丈に合っていない物件を決めてしまうと、経営が続かない大きな要因になります。だれでも安ければ安いだけいいと思っていますが、実際にそんな破格の条件で借りれる物件というのは見つかりません。「大体¥●●を希望で上限は¥●●」としっかりと戦略的に家賃予算を決めて物件を探すべきです。
では、どれくらいの予算にすればいいか。それは一般的に売上の10%だと言われます。では売上はどれくらいか?その計算もしなくてはいけません。みなさんのカフェではどれくらいの売上金額を目標にするのか。それを決めないことには売上予想の10%である家賃予算も出てきません。
売上に関してなどお金についてはこちらの記事を一度ご覧ください。
上の記事でカフェ開業前に考えておくべき「最低必要金額」を解説しています。最低必要金額を基準に予算を振り分けていけば身の程知らずな高い家賃の物件に契約することはなくなります。
そうして条件としての家賃金額が明らかになりますが、家賃に関しては不動産屋さんに積極的にこちらから伝えることはしなくていいです。どれくらいの予算で考えていますか?と聞かれたら「家賃よりも条件に合うことを重視しています」などと答えるに留めましょう。
あまり安い予算を伝えると不動産屋さん的には「商売に繋がらない客」とみなされ手を抜かれる可能性があります。
居抜きかスケルトンか
物件選びのポイントとして「居抜き物件」か「スケルトン物件」かというものがあります。
飲食店の居抜き物件というのは、前のお店の作りや設備がそのままになっている物件のことです。水道やガスが通っていたり、まだ使える冷蔵庫などの什器が残っていたりします。
スケルトン物件というのは、まっさらな状態の箱のようなイメージで、これから店舗内の配置を設計して、水道やガスを引いたり什器を入れたりしなくてはいけません。
飲食店初心者であれば、居抜き物件の方が初期投資は圧倒的に少なくて済みますが、正直どちらにも善し悪しはあると思っています。
居抜き物件の場合は、簡単な改装で済むのでスケルトンよりもお金がかからないというメリットもあります。しかし、残っているもののほとんどが自分のカフェに不要なごみの場合もあり、その処分に十数万円かかることもあります。
私もこのパターンで、以前うどん屋さんだった店舗に残っていた製麺機や茹で釜などはほとんど不要でした。スケルトン物件はゼロからのスタートですが、居抜き物件の場合は「片付け」というマイナスからのスタートになることもあると思い知らされました。
また、以前に何かのお店があったということは、その店が「なくなった」ということでもあります。よく言われるのが、「あそこのテナントはよく入れ替わる」といった類のもので、どんな飲食店が入っても流行らない場所というのは確かに存在する気もします。
スケルトン物件の場合は、自由にお店内を思いのままに設計できる良さがありますが、その分お金がかかります。雑貨屋さんのように商品を並べて商売開始が出来る店であればいいかもしれませんが、水道やガスを通す大がかりな工事を必要とする飲食店を個人で始める場合にはあまり向いていないのではないかと思います。
どちらにもメリットデメリットがありますので、必ずしもどちらがいいとは決められません。絶対に居抜きがいい、絶対にスケルトンがいいという場合はその条件を伝えるといいと思いますが、そうでない場合には特に指定せずに物件を探した方がより多くの物件に出会う機会が増えます。
お互いのメリットデメリットを知らないまま物件を探すと、のちのち痛い目に遭う可能性が高いので基本的な知識は押さえた上で物件探しを進めましょう。
独立店舗かビルなどの施設内か
物件探しの条件で考えておくべきもう一つの要素は、「施設型」か「独立型」かというところです。
よく、ビルやマンションの中にお店があったり、同じような形のばらばらのお店が軒を連ねていたりするのを見かけます。そうしたお店が施設型の物件です。逆に建物一軒が独立して立ち、そこがお店になっているのが独立型です。
都会の街中ではビルの中や一階部分にお店があることも多く、郊外ではラーメン屋やパン屋と同じように独立したカフェも多く見受けられます。この辺りは好みの部分も多いと思いますが、希望があればこちらも伝えるようにしましょう。
【狭めすぎると見つかりにくい】
実際にはこれらの他にも、希望する細かい条件がいくつもあると思います。私の場合は「店舗の上に住めればいいなぁ」と思っていたのでそんな条件も持っていましたが、不動産屋さんに伝える時点では言いませんでした。理由は、条件が細かすぎるとヒット件数が減るからです。
今回4つの条件を決めておこうという提案をしましたが、始めはエリアと大きさだけに絞って条件に合う物件があるか探してもいいと思います。その方がより多くの物件を見ることができます。
不動産屋さんによってはもう少し細かい条件を指定してくれと言われる方もいるので、準備しておくに越したことはないのですが、狭めすぎると母数が減るということは意識しておいてください。
スポンサーリンク
【みなさんが希望する物件の条件は何ですか?】
以上が物件探しの前段階で決めておくべきみなさんの理想のカフェの「希望条件」です。ある程度イメージ出来ましたでしょうか?
「カフェを開業したくて、[●●市]の[●●町]周辺で[●●坪]くらいの物件を探しています。出来れば[居抜きの物件]で[独立した建物]を希望しているのですが、そういった物件をお持ちではないでしょうか?」。
こうした聞き方が出来るようになれば、実際に不動産屋さんに電話をしても相手にされないと言うことはなくなります。
より多くの物件に出会うためには[●●市][●●町][●●駅周辺]と[坪数]ぐらいでもいいと思います。
こうした条件が決まれば、あとはひたすら不動産屋さんに条件に合う物件がないか聞いて回るという作業になります。その繰り返しの中に、みなさんとみなさんがカフェを始める物件との出会いがあります。
その瞬間を心待ちにして、どんどん探していってもらいたいと思います。素敵な場所が見つかるよう、応援しています。頑張ってください。
【これからカフェを始める人は以下の記事も必見です!】
【カフェを始める前に作っておきたい楽天カード|必要備品の購入で大量ポイントをゲットできます】≫
カフェ物件の探し方|具体的にやることを細かく解説します【カフェの始め方講座】>>