こんにちは、にしむー2.0です。愛知県の田舎で夫婦ふたりブックカフェを営んで5年目になります。
ここでは、これからカフェを始めたいという方に向けて、自分の経験からお話ししています。少しでも参考になれば幸いです。
今日は、「理想のカフェを開いて、絶対良い店にしたい!!」と思っている方に、CX(カスタマーエクスピリエンス)という顧客体験の重要性をお話しします。
カフェオーナーが良い店を作るために必要なことはCX(顧客体験)
私も初めは漠然と、いいお店にしたいと考えていました。だけどそれでは「具体的にどうしたらいいお店に出来るのか」というアイディアは一向に出てきませんでした。
そこで考えたのが、「どんなお店を良いお店と思うか」ということ。みなさんはカフェが好きでいろんなカフェに足を運んだことがあると思います。そして良いカフェだと思ったお店では、どんな経験をしたでしょうか?
美味しくてきれいな料理。オシャレなお店。店員さんの感じがよい。リラックスできるBGM。いつまでもいたくなるような居心地の良さ。
そんなお店をいいカフェだなぁと私は思っていました。そして気づきました。カフェに求めるものの多さに。笑
実はカフェという業態は普通の飲食店と少し違っていて、ただ料理が美味しいだけでは不十分なんです。その理由は、先ほどの私のように、ほかの飲食店に比べてお客さんが求めるものが多いからです。居心地や雰囲気など、特に感情の部分での評価が「いいお店」と思ってもらえるかどうかに大きく影響します。
つまり、お客様の体験をどのように良いものにするかがポイントなんです。それをCX(カスタマーエクスピリエンス)と言います。これはWEB業界で重要視されるUI/UX(ユーザーインターフェイス・ユーザーエクスピリエンス)からきた言葉ですが、この「顧客体験」はこれからお店を始めるみなさんにはぜひ覚えておいてもらいたい言葉です。
CX(顧客体験)を一番に考えるカフェは優位性を持つ
良いお店にするには、顧客体験を上げることが重要です。よく同業者とお店の経営の話をするときに、客単価や客数という言葉が出てきます。みなさんも聞いたことがある言葉かもしれませんし、これから経営の勉強をする中では多くの場面で出くわす考え方だと思います。
要は、「客単価×客数=売上」ということで、お店の経営に最も重要な「売り上げ」を作るための考え方といったところです。多くの経営者は、「客単価をどう上げるか」「客数を伸ばすには」といったことを考えながら経営しています。みなさんもこれから頭を悩ますことになるかもしれません。
ですが、そうした人たちと話していて、どこかズレているような感じを受けます。売上あってのお店なのは間違いありませんが、重要なのは「お客様に良い店だと感じてもらえるか」だと思います。
良質な時間をこのカフェで過ごせたと思えれば、また来てくれるし友達にオススメもしてもらえます。そんな体験をして帰っていただくためにどうすべきかを一番に考えるのが経営だと私は考えています。
カフェを始めたいと思った時の初期衝動の時点では、良いお店を作りたいと誰もが思うはずです。だけど、経営者目線になったときにその部分が抜け落ちてしまう人が非常に多いなと感じています。
顧客体験を第一に考えて経営できる人は稀です。そして、いつまでもカフェ好きの気持ちを忘れずに顧客体験を上げ続けられる人が、良いお店を作り続けることができます。
【カフェでのCX(顧客体験)を良いものにするためには】
顧客体験を良いものにする方法は、「カフェとお客様の接点となる要素を細分化して、それぞれにのポイントで良い体験となることを考える」ということです。
まずは接点を細分化します。お客様と店側との接点はどういったものがあるでしょう?
- ホームページを見に来る。
- 店の駐車場に車を停める。
- 店内に入る。
- 席に案内する。
- お水を運び、メニューの説明をする。
- 注文を伺う。
- 料理を運ぶ。
- ドリンクを運ぶ。
- お会計をする。
- 見送る。
他にも、店内を散策されたり、お手洗いに行かれたり、うちの場合であれば店内の本を見られたりといったところでお客様との接点があります。
その接点が顧客体験に繋がるポイントだと私は考えています。細分化したお客様と店側の接点となるシーン。その各シーンでお客様が「いいね」と思う体験になれば、お客様にとって私のお店は「いいお店」になれると思っています。
例えば、席に案内するときに椅子を引くでもいいでしょうし、お水を運ぶタイミングで「どうぞゆっくりしていってくださいね」と伝えるだけでも顧客体験は向上します。普通のお店は笑顔などの最低限の接客しかしていませんから、それだけでもお客様にとってのいい印象に繋がるのです。
また、お手洗いに行く女性のお客様は、化粧を直したり身だしなみを整えたりされます。そんなお手洗いという接点での顧客体験を向上させるために出来ることは、いろいろとあるはずです。
お帰りの際にお渡しするショップカードでも工夫は出来ます。うちのカフェではショップカードの裏側に絆創膏を付けてお渡ししています。理由は、ショップカードなんてもらってもお財布の整理をするときに捨ててしまうからです。現に私がそうでした。
なので、少しでも使えるものにすればそれがけでお客様にとっての顧客体験は向上すると考えています。実際喜んで笑顔でお帰りいただけているのを実感しています。
このように、お客様との接点全てにみなさんの考える顧客体験を散りばめていけば、どこにもないあなただけの良いお店が作れます。
【CX(顧客体験)がカフェのリピートとシェア(口コミ)に繋がる】
このようにお店とお客様との接点を設計することは、必ずお客様の顧客体験を良いものにします。
他のお店がやっていないことをやる時点で、みなさんのお店は差別化が出来ています。また、そうした優しさや温かい想いというのはカフェを訪れるお客様との相性もすごく良いと考えています。
それは、カフェを求めていらっしゃるお客様が料理だけではなく「感情的にプラスにしてくれる場所」を求めているからです。良い顧客体験を求めてカフェに来ると言っても過言ではありません。
逆に言えばそうした接点での顧客体験を設計していない店では、満足できる顧客体験をしていただけないということです。こだわるポイントは美味しさだけではいけないのです。
顧客体験を設計すればみなさんのお店は上昇気流に乗れます。一度来たお客様は「また来たい」と思いますし、そう思っていただけたならば友人や家族にもその話をし、口コミを生んでくれるからです。そのスパイラルが大きくなればなるほど、みなさんのお店は繁盛するでしょう。
客単価や客数を上げることを考えると、お客様のことを数字でしか見れなくなります。ですが、「顧客体験をより良いものにするには」と考えることで、お客様に喜ばれながらさらに良いお店を作ることが出来るんです。
みなさんが作るカフェは、ぜひそうした顧客体験を大事にするお店にしてください。それがカフェ経営をうまく行かせる秘訣です。
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