お笑い芸人のオリエンタルラジオとして「武勇伝」などのネタで一世を風靡した、あっちゃんこと中田敦彦さん。
最近は歌と踊りのパフォーマンス集団「RADIO FISH」として、お笑い芸人やリズムネタの既成概念を崩す活躍を見せています。
そして最近の中田さんの刮目すべき点は、TV番組のアメトークやしくじり先生において見せるそのプレゼンテーション能力の高さです。
ジェスチャーや声のトーンや間を上手に用いたプレゼン能力自体が、まず素晴らしい。しかしさらに凄いなと思うところがあります。それが、しくじり先生などで見せるプレゼンテーションの内容、テキストの構成の部分です。
わかった気になったのではなく、理解出来たと皆が思えるような中田さんのプレゼンテーション。プレゼンテーションの中で伝えるべきポイント、そしてその伝え方に関しては相当な勉強や努力をされていると思います。
そんな中田さんが、悩める受験生や社会人に向けて一冊の本を書きました。本の中で中田さんは、「悩みの具体的な内容は変わっても、解決へのアプローチ方法は大きく変わらない」と言っています。
具体的な悩みを解決する類の本は、書店に行けば溢れています。解決したい悩みがあるのであれば、その悩みを解決してくれる本を探せばいい。
そんな中この本には、中田さんが言うように悩みへの本質的なアプローチ方法が散りばめられています。
人生を歩んでいくうえで、悩みのない人生なんてありません。
これからも悩みと付き合っていくすべての人に読んでもらいたい一冊です。
その中から「どうしたら夢や目標を叶えられるのか」という悩みに対しての中田さんんの考え方がすごく参考になったのでそちらを紹介します。
【中田敦彦「大合格」とは】
「大合格」というタイトルにあるように、受験生から来た悩みに対して、中田さんが考える悩みへのアプローチ方法や解決策を教えてあげる、一問一答的な流れで進んでいきます。
受験生の悩みは大きく分けて、「将来・進路について」、「勉強方法について」、「メンタルについて」、「恋愛について」、「友人関係について」、「学校のことについて」といった感じです。
ジャンルはどれも高校生向けな感じがしますが、これが案外、学校を会社、受験を月次目標に置きかけても、役に立つアドバイスになっています。
これが中田さんの言う、人生の悩みの本質的な部分は大きく変わらないということなのかもしれません。
そして全ての悩みに対しての中心にある考えが「高い目標を掲げ、そのために必要な戦略を練り、自分で選択して、ひたすら努力する」というものです。
【高い目標を掲げ、必要な戦略を練り、自分で選択して、ひたすら努力する】
中田さんの悩みに対する思考の中心にある考えは、「高い目標を掲げ、必要な戦略を練り、自分で選択して、ひたすら努力する」というものです。この部分は座右の銘にしてもいいぐらい、短い文で全てを言い表しています。
これは、あらゆる悩みへのアプローチにつながる重要な考え方なので、一つ一つを自分の中に落とし込みましょう。
・高い目標を掲げる
何においても、いきなり高い目標が実現することはありません。結局は小さい目標達成の積み重ねで、少しづつ高い目標に近づいていきます。
それが根本にある上で、高い目標を掲げることが重要です。
高い目標を掲げるメリットは3つあります。
1つ目は「成長」です。
人が成長するのは、今までやったことがないことに対してチャレンジをするときです。そしてそのチャレンジが大きく難しいほど、人の成長も大きなものになります。
2つ目は充実です。
目標に向かって全力で取り組むとき、これまで味わったことのないような充実した時間を過ごすことができます。もし自分で立てた大きな目標が叶わず終わることになったとしても、あなたがその目標に向かって過ごした充実した時間はあなたにとってかけがえのないものになります。
そしてまた次のチャレンジの時にも経験として大いに役立ちます。充実した時間は、大きな目標を掲げ努力していく時間の中に存在しています。
3つ目は自信です。
あなたが大きな目標を掲げた時点で、あなたの中にその大きな目標に向かう自分が生まれています。何の目標もない人間から、他の人が考えられないような目標に向かっている人間へ進歩しているのです。その事実だけで素晴らしいことです。
さらに、理想とする大きな目標に向かうにあたり、技術や能力だけでなく人としての振る舞いも変わってきます。大きな目標を達成するような人間、夢を叶えるであろう人間にふさわしい佇まいを身に着けていきます。
そのどれもがあなたにとって自信となります。
高い目標だけ持っていても達成できません。高い目標につながるステップとなる目標をクリアしていかないといけません。しかし、高い目標がないとその途中にある成長や充実した時間はありません。
ぜひ高い目標に向かって人間として大きく成長していってください。
・必要な戦略を練る
志望校に合格するためには、志望校の入試問題の傾向を把握し、予想を立て、計画的に対策を練っていかななくてはなりません。範囲も傾向も知らずにがむしゃらに勉強すればいいわけではないんです。
これはどんな目標に対しても同じです。営業成績を上げるためにとりあえず数打ちゃ当たる戦法をとる営業マンは消耗します。気になる子に対して、喋ったこともないのに告白されてもOKどころか相手に気持ち悪がられる可能性だってあります。
日本人は特に、精神論でがむしゃらに頑張るのが美学のような風習がありますが、これでは賢くありません。いきなり問題集を買いに行ってやり始めるのではなく、少し考える時間を作り、自分で戦略を練るということが大事なことです。
戦略とは、目標を達成するためにどういうやり方をするかを細かく決めることです。
「相手を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があるように、戦略は自分の強みや弱み、そして相手について知ることから始まります。それを知ったうえで、目標達成のために必要なものやたどるべき道のり・計画を考えていきます。
高い目標の達成には自分なりの戦略が不可欠です。がむしゃらにやり始める前に、戦略を考えるための時間を作りましょう。
・自分で選択する
志望校を選ぶとき、「先生が勧めてきたから」、「親がここにしなさいって言ったから」というように誰かの基準で自分の進む道を決めてしまう人がいます。けれどあなたの人生はあなただけのものです。他人の言いなりになる癖がついてしまうと一生その思考から抜け出せなくなります。
大切なのは、自分で決めること。他人の意見は参考にするのはいいと思います。気付かなかった選択肢を与えてくれることもあります。いろんな人の話を聞いて、その中から自分が取り入れようと思えるものだけ選べばいいのです。
また、それは志望校選びだけの話ではなく、日常生活においても選択をする機会はものすごくたくさんあります。
たとえば、あるダイエット法が流行すると、みんなが何も考えずにそれに飛び込みます。そしてうまくいかなかったら、方法のせいにして次のダイエット法へ。
戦略を考えるときもそうですが、目標へ向けての道のりは一つではなく色々な方法があります。どの方法で目標達成を目指すかというのも選択です。
選択肢は数多く、そのどれが正解かはわかりません。しかし、自分が考えて決めたことであれば、決めた自分自身に対して責任感が芽生えます。そしてその責任感は、自分が決めた選択を正しかったと思えるようにより一層努力する力にもなります。
自分のやることは自分で決めましょう。自分はこれを目指す!これをやる!と決めきることが高い目標へのスタートダッシュになります。
・ひたすら努力する
高い目標を立て、そのための戦略も考え、自分で選択をしました。ここまでで目標への地図と行き方は手に入れたようなものです。
しかし、いくら地図を手に入れても、歩き出さなければそこにたどり着くことは出来ません。どんなにおいしいケーキ屋さんの情報を得て、場所も行く方法もわかったとしても、家から出なければそのおいしいケーキにはありつけないのです。
まずはその地図を持って歩き出すこと、やり始めることが重要です。
そしてその道の途中にはもしかすると予想していなかった様々な困難が待ち受けているかもしれません。しかし歩みを止めてはいけません。
何かを成し遂げた人の中で、順風満帆で目標を達成できた人なんていません。みんな何かしらその人なりの壁や挫折に遭遇しつつも、乗り越えて今の成功があります。壁は目標達成のための通らなくてはいけない道です。
逆にそういった壁に出くわしてしまったなら、「ついに自分にも来たか、この壁が現れたってことはこの先にはゴールがあるに違いないな」という気持ちをもって挑むことができればあなたは素晴らしいです。
ひたすら努力をした先にあなたの目標はあります。あなたが自分で考えて自分で決めた「目標とやり方」で努力を重ねれば、きっとあなたの望んだ結果を手に入れることができるはずです。
【まとめ】
何千人、何万人といるお笑い芸人の中で、テレビに出て評価を得続けるには、単純な面白さ以外にも戦略が必要なことは明らかです。今回はそんな中活躍を続ける中田さんの思考に触れてみました。
このような夢実現のための考え方を体系的に話せる人なんて大人でもそうはいません。叶えたい夢があるのなら、その地図を持っている人の話を聞くことから始まります。
受験だけでなく生き方にも通じる中田さんの考え方を、知らないままでいいんですか?
本気で夢や目標を実現したいすべての人にとって、不可欠な一冊だと思いました。ぜひ手に取って読んでみてください。