「本好きじゃなくても本を読むことは楽しい。」
本日紹介する一冊は、「がけ書房のころ」。本書は、京都にある一風変わった本屋さん「ガケ書房」が出来るまでとお店を始めてからの物語です。
今はもう店名をホホホ座に変えていらっしゃいますが、独自の本のセレクトや壁に車が突っ込んだ外観が有名ながけ書房は、今なお伝説の本屋の一つであるように思います。
一人の人間がたった一人でゼロから本屋を営むということの面白さや哀しさ、寂しさが詰まったリアルな一冊。
著者の言葉で、印象に残った箇所が、『いつからだろう。読書という行為が、読書をしない人たちにとって、ある種の勉強のようになってしまったのは。』というところでした。
本を読まない人が増えているというのは、もうずっと言われていることです。ですが、スマホを使ってニュースアプリを見る人は年々増加していて、マンガや雑誌を読めるウェブサービスも次々に誕生しています。
「本を読まないヒト」もこうした媒体を通して情報を得たり、文章を読んだりしているのです。
しかし、「読書」や「本を読む」というと、どこかそれが『勉強』につながっている印象があり、本を読むことの敷居を高くしている気がします。
ヒトは好きなモノや興味のあることについては、自らアンテナを張ったりスマホで調べたりするように、「知りたい」という欲求を持っているんです。
音楽が好きでも、映画が好きでも、おしゃれが好きでも料理が好きでも、実は本というのはそうしたほとんどのものと結びつきます。
本屋さんを見回してみれば、自分や誰かにとっての「興味」となり得る本で溢れています。
本を通すことで、好きなことをより知ることが出来たり、より楽しむことができるようになる。だから、本を読むことは勉強だとか何か得るためだとかそういうことじゃなくて、ただもっと自分の人生を楽しむために読めればいい。
最初から本好きが薦める小説や、上司に読めと言われるような古典を読まなくていいんです。あなた自身の「興味のあること」に関する本を手に取ってみる。興味のある国への旅行記でもいい。好きな芸能人のエッセイでもいい。表紙に惹かれて欲しくなった本でもいいと思うんです。
読書をしない人にとって本を読むということは、普段し慣れないせいもあって、ちょっと敷居が高いと思っている人もいるかもしれません。ですが、学びや勉強というイメージから離れて、スマホで興味のあることを検索するように本屋さんで気になる本を読んでみたら、意外と本を読むのもいいなぁと感じてもらえるかもしれません。
興味を持っていただけたら、ぜひ早速本屋さんに行ってみてください。
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