大切な人を失う経験は、私たちが生きていく中で決して避けては通れない出来事です。
その悲しみは辛く、苦しく、耐え難いもの。僕自身、悲しみは時間の経過や日々の忙しさの中で「徐々に忘れていく」ということでしか乗り越えることはできないと思っていました。
しかしある本に書かれていた一つの言葉で、悲しみはただ悲しく辛いだけのものではないと気付かされたんです。
若松英輔さんの著書『悲しみの秘義』。その中には、著者が最愛の奥様と死別したあと、深い悲しみの中で考えた「悲しみの本当の意味」が書かれています。
悲しみは辛く苦しい。だけどそこでしか感じられない温もりや愛おしさがある。
いま深い悲しみの中で苦しんでいる人に、その捉え方が届いてほしいと思いこの記事を書きます。
【大切な人を失った悲しみとの向き合い方】
僕が中学一年生の春に大好きなおじいちゃんが余命宣告されました。残されたわずかな時間を今までよりもっともっと大切にしよう。それからの時間は、今でも鮮明に思い出せるくらい心に残っています。そしてその年の秋、おじいちゃんは他界しました。
大切な人を亡くした時、誰もが痛いほどの痛みを感じます。どれほど意識して濃い時間を過ごそうと思っていても、それでも亡くして初めて、その人がどれだけ自分にとってかけがえのない人だったかを改めて実感します。
昔の人は、「悲しい」という字を「愛しい」とも書いたと言います。おじいちゃんを亡くした時、ものすごく悲しい思いをしました。だけど、悲しさの中には楽しかった思い出やたくさんのありがとう、大好きだったなぁという想いが溢れていました。
亡くした後の悲しんでいる時間。その時間こそが、なによりもその人のことを愛おしく思っている時間だというのは一つの真理だと思います。そう考えると、人は悲しみの中でこそ、もっともその人と交わることが出来るのかもしれません。
失った人を想う時間やその時の気持ちは、悲しみだけでなく濃密な愛しさや優しさに満ちています。みなさんもそうではないでしょうか?
逆に言えばそれほどの愛おしさを感じる時間が、悲しみの中にしか存在しない時間だとしたら。悲しみの意義も変わってくると思います。
別れの悲しさ。寂しさ。苦しさ。
それだけを感じるのではなく、
「同じ時間を過ごせてよかった。」
「楽しくて幸せな時間をくれてありがとう。」
「ずっとずっと大好きだよ。」
そんな気持ちを持ってその人と向き合ってみてください。
愛しさを感じることで悲しみはさらに増すかもしれません。ですが、別れの悲しみを時間の中で薄れさせるのではなく、しっかり自分の中で向き合って大切な大切な宝物にしたい。そうすることで、出会いの奇跡や愛おしい時間や自分自身の限られた命をもっと大事にできるのではないかと思います。
悲しさのうら側にある愛おしさに気付くことで、別れの悲しみの意味は変わってくる。悲しみの秘義は、そんなことを教えてくれました。
【悲しみの秘義|印象に残った言葉】

「詩を読むことは、沈黙のうちに書き手と言葉を交わすことである。しかし、その詩ですらも本当は扉なだけで、真に向き合うべき相手は自分だ」
「人は闇においてもっとも鋭敏に光を感じる」
「誰かを愛(いつく)しむことは、いつも悲しみを育てることになる」
【悲しみの秘義 商品紹介】
著者:若松英輔
出版社:ナナロク社
発売日:2015年11月27日
価格:1600円(税別)
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