映画館好きにおすすめのミニシアターの魅力。~面白い映画はそこにある~

「ミニシアター巡礼」画像書評・映画評
代島治彦「ミニシアター巡礼」
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本日紹介する一冊は、全国各地に点在する「想いを持ったミニシアター」を訪れ、その歴史やストーリーを紹介する「ミニシアター巡礼」です。

 

ミニシアターとは、商業主義になじまないけれど良質な映画を積極的に上映する映画館のこと。複合型映画館(シネマコンプレックス)とは異なり、一つのスクリーンしか持たないことが多いです。

 

日本の映画館の中で、このミニシアターに属する映画館は全体の10%以外だと言われます。

 

本書では、自身もかつてミニシアター「BOX東中野」を経営されていた代島治彦さんが、未だ各地に残るミニシアターをめぐり、彼らの持つ「映画への想い」「映画館への想い」、そして自身の叶えられなかった「ミニシアターに人生を捧げたことへの想いを一冊にまとめてあります。

 

各地の趣深いミニシアターを知る楽しさもありますが、著者の「ミニシアターに人生を捧げられなかったことへのうしろめたさ」と彼らへの「エール」が文中から感じられ、同じ映画好き、映画館好きとしては胸が締め付けられるような思いがします。

 

 

映画が私たちを豊かにし、私たちが映画を育てるということ

 

90年代、誰も知らないものを見つける喜びより「みんなが話題にしていることに乗り遅れないことが大事になっていき、そこに「シネコンの上陸」や、映画そのものの「エンターテインメントとしての立ち位置の変化」などが要因し、ミニシアターは衰退していきました。

 

だけどそれから20年。時代はまたも変遷の時を迎えています。

 

スマホやネット通信環境が急速に整備され、文字や写真だけでなく映像のコンテンツも大量にWEB上に貯蔵された現代。若い人を中心にテレビや雑誌からの押し売りではなく、ネットで自由に「自分の好きなこと」に時間を割く時代になっています。

 

好きなものをとことん探せばいろんな情報や人に辿りつく。みんなが話題にすることよりも自分の好きに当てはまるものを楽しむ時代。90年代のようにみんなと一緒が正義ではなく、みんなと違うけど自分が好きだと思うものを好きだと言える世の中になっています。

 

そんな風潮の中だからこそ、ミニシアターというものに目を向ける人が増えたら面白いなぁと思います。ホームページで上映作品を見ると、シネコンではやっていないような、それでも観たい好奇心が沸くような作品が数多くありました。

 

本書の中には映画愛の大きな館主が多く、それゆえ「人間にはあの暗闇が必要なんだよ」といった名言が数多く出てきます。

 

そんな中でも鳥肌が立つほど心の琴線に触れた部分がありますので、最後にその箇所を引用させていただきます。

 

『映画とは農である。農とは作物を作ることではなく、作物を育てる土を作ることに他ならない。農とは、いい土を作ることだ。いい土とは何か。土中に数多く微生物が生きている土のことである。この微生物が作物を育て、その実りを通して、それを食する人間の体内に入り、体内の毒を退治する。いい土が人間の健康を作るのだ。そしてさらに、その人間が再び土に還り土中微生物を育てていく。そういう循環こそが農である。さて、これを映画に敷衍するとこうなる。作物とは「映画」。土とは「映画館」。そしてその土に棲む微生物こそが「観客」である。多種多様な「観客」が「映画」をよりよく育て、その「映画」の実りがさらに多種多様な「観客」を作り出していく。映画とはその循環だと僕は思っている。』

 

現在、日本で作られる映画で映画館で上映されるのは全体の1/3。ほかの1/3はDVDの販売のみで、さらに1/3は人の目に触れることなく消えていくと言います。

 

豊かな映画文化、豊かな私たちの生活のためにも、こうした土となるミニシアターを大切に育てて行けたらいいですよね。

 

記事を読んで興味を持ってくださった方はぜひ本書を読んで、お近くのミニシアターに足を運んでみてください。いつもとは少し違った映画体験が待っているはずです。

 

【ミニシアター巡礼 本の紹介】

 




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にしむー

にしむーです。カフェ経営・手作り腕時計作家・ちっちゃい本屋など、自分の好きなことでビジネスをして生きています。
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