こんにちは。BOOKS ROUTE 193です。
生き方、働き方、暮らし方、考え方、捉え方…。本の中には、『二度とない人生を自分らしく生きていきたい人』のための知識や知恵がたくさん含まれています。
僕自身もそんな本の力で人生が変わり、本屋さん勤務を経て、今は田舎の町で小さなブックカフェをやっています。今日も、僕が読んだ本の中から、あなたが自分らしい人生を生きるためのヒントになることをご紹介したいと思います。
素敵な本との出逢いになれば嬉しいです。どうぞゆっくり見ていってください。
【 OPTION B 〜逆境、レジリエンス、そして喜び〜 】
著者は、世界で最も有力な女性50人に選ばれたフェイスブックCOOのシェリル·サンドバーグ。前著『Lean in〜女性、仕事、リーダーへの意欲〜』もベストセラーになり、女性成功者を代表するような人生になるはずでした。
しかし、本書は彼女が最愛の夫を亡くしたところから始まります。打ちひしがれ、絶望に涙する彼女に対し、友人である心理学者のアダム·グラントは『人生を打ち砕くような経験から回復するための具体的なステップ』を説きます。彼の教えてくれる回復のためのあらゆるメソッドは、社会的実験やその数値により根拠付けられており、単なる自己啓発や精神論で終わらない確かな力を持っています。
『最愛の人の死』という究極の苦難とまではいかなくとも、失恋、挫折、人間関係での苦悩や仕事での失敗という私たちの人生における困難にも役立つ知恵に溢れた一冊です。
今日はその中から、失敗や苦難から来るネガティブな気持ちを乗り越え、一歩踏み出すために必要な考え方を紹介します。
【ネガティブのどん底から立ち直る力】
最愛の人の死に直面した彼女は、はじめから立ち直る力を持っていたわけではありません。そして、心理学者の友人アダム・グラントの言葉を全て受け入れて進むことが出来たわけでもありませんでした。
私たちも挫折を経験したときにどれだけ周りの人たちがアドバイスをくれたり励ましてくれたりしても、聞く耳を持てなかったことはあると思います。それでもアダムが彼女に寄り添ううちに、少しずつ彼女自身も前に進もうと思い始めます。そのあたりから、アダム・グラントの言葉は彼女の胸に沁みていきます。
アダム・グラントの教えの中で、特に絶望の淵から戻ってくるために有効だなぁと思う話が3つありますのでそちらをご紹介します。
[3つのP]
挫折や失敗の状況に陥ったり、不安で胸が一杯になったとき、三つのネガティブな感情が雨雲のように発達し、心の中を暗く覆いつくしてしまいます。
その三つの感情というのが、自責化・普遍化・永続化です。(これを本書の中では3つのP〔Personalization ・ Pervasiveness ・Permanence〕と言います。)
自責化というのは、悪いことのすべての原因が自分にあると考えてしまうこと。
普遍化というのは、一つのことに失敗したら自分の人生何もかもがダメだと捉えてしまうこと。
永続化というのは、この沈んだ気持ちが永遠に続くのではないかと感じてしまうこと。
ネガティブな雲が心を覆う時、冷静な気持ちで客観的に事態を見ることはできなくなるものです。これまでの人生を考えてみると、ここにあるような3つのPが心を占拠してしまうことに心当たりがあるひともいるかもしれません。
みんなの前で恥ずかしい思いをしたときだったり、就職活動で熱望していた企業から不採用通知が来たときだったり。僕にも自分がダメダメすぎていやになり、何をやってもダメだろうと思ったり、一生こんなダメな人生なんだろうと思ったことがあります。
ですが、当時はそんな重苦しい思いをしていても、1年後に思い返すと、「そんなに落ち込むことでもないじゃん」ってなってることばかり。きっと皆さんにも、同じような経験があるかもしれません。
「自分以外の他の要因もあるんだから全部自分だけのせいではない。」
「今回ダメだっただけで、自分のすべてが否定されたりダメになったわけじゃない。」
「ある感情がずっと続くなんて、そんなこと自分の人生であったことない。」
本当はそんなことわかってるのに、挫折を前にするとどうしても3つのPが現れるのが人間です。きっと防衛本能や自分をこれ以上傷つけないために心が過剰なバリアを張ろうとしているのかもしれません。
もしこうした状況になりそうだと気付いたら、この3つのPはネガティブになりそうなときに反射的に現れるものだと思い出すことが大切です。そうすれば雨雲の中で苦しく冷たい雨に打たれることなく、雨雲を割って昇り、雲の上の青空に出会えるはずです。
[最悪の想定]
3つのPという雨雲を抜けたら、少しは心に晴れ間が戻っているはず。そして自分の状況を今一度見返してみると、失ったものや悲しさの中にも残っているものがある。そこに目を向けることが重要です。
本書の中では、最愛のパートナーを失った彼女も、最愛の子供たちや周りにいる友人、やりがいのある仕事など残っているかけがえのないものに気づきます。もし、パートナーだけでなく、子供たちも同時に失っていたら?パートナーを失って絶望の中にいるときに、誰も心配して声をかけてくれる人がいなかったら?生きがいを覚える仕事に没頭できる時間がなかったら?きっと彼女はもっと悲惨だっただろうと気付きます。
最愛のパートナーを失うことや、これまでにない挫折を感じる出来事に直面した時、それはもちろん辛く悲しいことですが、さらに最悪の事態を想像すると、まだ私たちには残されているかけがえのないものがあることに気づく。挫折から立ち直る力をくれるものはそうした残されたものです。
そうしたものの存在に気づき、ありがたいと思う気持ちが、心の回復につながっていきます。
[何ができるか]
「失ったもの」から「残されたかけがえのないもの」に意識が向いたとき、絶望から立ち直るための扉は開かれ、私たちは進み始めることができるように感じます。
残されたものに目を向けて、より最悪の事態は免れたなぁと思えた時、次に意識が行く先は「今、何が出来るか」になってきます。落ち込んで何もできないのではなく、次にした方がいいこととそれに向けて今できること。つまり本書のタイトルにもなっている「オプションB」を考えること。
それを見つけ、それに集中して生きていくことが困難から立ち直るもっとも効果的な方法なんじゃないかなぁと思います。
いかがでしたでしょうか。
大切にしていたことや人を失った時、すぐにはここで述べたような立ち直りの術を実行できる人は少ないかもしれません。たとえ頭でわかっていても、答えが出ていたとしても、感情をコントロールすることは本当に難しい。
僕自身も、多くの本から学びを得ても、感情のコントロールはいまだに上手にできないことの方が多く反省してばかりです。ですが知っているのと知らないのではそれは全く別のことだと思います。
自身の非常にプライベートで辛い経験から得た知恵をこうして一冊の本にされたシェリルサンドバーグさんは本当に偉大な女性だと思います。彼女の本を通して、一人でも多くの挫折・喪失の悲しみを持つ人が救われたら、それほど素敵なことはないなぁと感じました。
以上、「最愛の人の死を乗り越えた女性が教えてくれるどん底から立ち直る力」でした。
【心に残った言葉】
『しあわせの扉がひとつ閉まると、別の扉が開く。でも、閉じた扉をいつまでも未練がましく見ていると、自分に開かれた別の扉に気が付かないことも多いのだ。』
『人は歳を取るにつれて、どれだけワクワクできるかではなく、どれほど安らかな気持ちになれるかという観点から、しあわせを考えるようになる。』
【OPTION B 本の紹介】
著者:シェリル・サンドバーグ
アダム・グラント
出版社:日本経済新聞社
発売日:2017年7月20日
価格:1600円(税別)
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