今日紹介する一冊は、旅や人生にまつわるキュレーションサイト「TABI LABO」の創設者 成瀬勇輝さんの著書「旅の報酬〜旅が人生の質を高める33の確かな理由〜」です。
旅が好きで旅にまつわる仕事を作った成瀬さんですが、数々の偉人も同様に旅を通して人生が変わる経験をしています。
スティーブ・ジョブスはインドへの一人旅をきっかけに、自分と向き合い、新しい視点を得る経験をしたといいます。若者にアドバイスを求められると「インドへ旅をするといい」と語っていたそうです。
本書では著者の経験と数々の旅にまつわる名言から、旅が人生にもたらすものがまとめられています。
「答えはいつも自分の中に見つかる」
「差ではなく違いしか存在しないことに気付ける」
「モノより体験により成長できる」
など、旅は人生の本質や大切な様々なことを気づかせてくれます。
旅に出ることをすすめるヒトは誰しも、旅が自分を成長させてくれることを知っているヒトです。
旅に出なくても人生は楽しく生きていけます。けれど、旅に出なかったら出会えなかったことを教えてくれる本書は、人生をより豊かに生きていきたい人にとって一つのきっかけになる一冊です。
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【「旅行」と「旅」の違いは、「モノや風景」を見ているか「自分の心」を見ているか。】
旅行と言うとヨーロッパやハワイ、オーストラリア。
旅と言うとインドやモロッコ、メキシコ。
こんなイメージを持っているヒトはなんとなく多い気がします。ですが、ヨーロッパやハワイでも旅になることもありますし、インドやメキシコに行くことが旅行になることもあります。
旅行と旅。これらは同じようで全く違うもの。
その違いを簡単に表すと、「モノや風景を楽しみに行く」のが旅行で、「自分と向き合う時間や考え方の変化を楽しむ」のが旅ではないかと思います。
言い換えると、外を見ているか中を見ているか。
例えばヨーロッパ旅行などはフランスのエッフェル塔やモンサンミシェル、スペインのサグラダファミリアなど、ゴールとなる場所がたくさんあります。観光名所のスタンプラリーのように、次から次にゴールを設定し、スタンプを集めていく。
こういうイメージが旅行です。もちろん、見たこともない景色に出会うことは感動もありますし、現地の美味しいものを食べるという目的でも楽しい時間を過ごすことはできます。
しかし、素晴らしい景色は様々なメディアで目にする機会ができ、さらには撮影や編集の技術により目で見るよりも美しく表されていることも少なくありません。
行ってみたら「こんなもんか」と思うことがあるのは、メディアでの既視感や誇張された表現によるものが大きいと思います。
また、料理に関しても世界中の料理が日本では食べることが出来るようになりました。これらは旅行を価値あるものから、わざわざ行くほどの価値がないものに変えつつあります。
しかし旅は別です。旅はいつどこに行くにしても、自分自身の中に新しい発見があります。
それは旅というものが、自分自身を見るために行うものだからです。
どこに行きたいのか、何をしたいのか、何を考えたいのか。ひとつひとつ自分に選択させ、自分が考えていることを知っていく。
そうした内面の変化や考えに気づいていくことで、何を大事にしたいのか、どういう働き方をしたいのか、どんな人生にしていきたいのかなど、その人その人の内面が明らかになっていきます。
その結果、旅が終わる頃には、その先の自分自身の生き方の軸が一本見つかるはずです。
こういったことは日常の中ではなかなか見つけられるものではありません。新しい文化や見知らぬ土地では、今までに出会ったことがない情報や価値観に埋め尽くされます。
そういう状況の中で、なにを選びなにを選ばないか。
そうした一つ一つの決断を自分自身で考える時間を持って決めていく中で、心の機微に気づけます。
これは旅の日程を決める話だけではありません。
旅を経験した人は、自分の人生で起きるあらゆることに対してどう捉えるか、どう考えるかを自分で決めていくことが出来るようになります。
自分の目で見て自分の心で判断する。人生を生きていく上で大切なことは、旅の中で見つかるはずです。
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【胸に残った言葉たち】
「ビジネスのスキルを上げてくれるのは高級腕時計ではなく、人間の幅を広げてくれるのは高級車ではない。人との出会いや旅をとおして得た知見、つまり自分が経験したことでしか自分は成長できない。」
「生物にとって、完成するということは悲しいことかもしれない。それで終わってしまうのだから、そこに行くまでの過程にこそ、意味があるんだ。」
【旅の報酬 商品情報】
著者:成瀬勇輝
出版社:いろは出版
発売日:2016年5月26日
価格:1400円(税別)
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