ハンドメイドの市場はここ数年非常に活況です。
minneなどのオンラインハンドメイドマーケットの数も増えていますし、クラフトフェアやもみじ市などハンドメイドのイベントも全国各地で開催されています。
一時のブームは落ち着いたものの、既製品にはないハンドメイドの良さが以前よりも多くの人に広まったことは間違いありません。今後も需要は継続していくでしょう。
現在ハンドメイド作品を販売している方の中には、売り上げが少なくて困っている方も多いのではないでしょうか。
私自身もハンドメイドで腕時計を作って販売しており、最高で月に32万円の売上を上げることができました。
しかし、最初はどういう売り方をしたら売れるのかわからず試行錯誤を続けていたんです。そして、試行錯誤を続ける中でわずかではありますが、ハンドメイド作品を売るために必要なことがわかってきました。
この記事では、売れるハンドメイド作家になるために必要なことをお伝えしていきます。今、なかなか売れなくてどうしようか迷っている方にとってヒントになれば幸いです。
【なぜ?ハンドメイド作品が売れない5つの理由】
ハンドメイド作品が売れない理由は大きく分けて5つあります。
これらを改善できれば商品は自然と売れていくようになります。それぞれ解説します。
・クオリティが微妙
第一に商品の魅力がないと買ってもらうことはできません。ハンドメイド業界の商品の質はピンからキリまであります。
お金をもらう以上は商品の質は重要。お店で販売されているものや他のハンドメイド作家さんの商品と比べてクオリティが低いようなら、技術をもっと高める必要があります。
・画像を見ても欲しくならない
minneやCreemaなど、インターネット上のハンドメイドマーケットプレイスも増えています。インターネットは実物が見れないため、購入のハードルはお店で買うよりも高そうですよね。
そこで大事なのが商品の画像です。
- 光の加減
- アングル
- 世界観など
商品を魅力的に見せるためには画像が非常に重要です。
画像のセンスを高めるためには、参考になる人やお店を見つけて真似してみることが効果的。どうやったら同じような写真が撮れるか試行錯誤してみましょう。
一眼レフがなくてもスマホ一台で十分撮影や加工ができます。画像は商品の顔ですので、画像作成の腕を高めましょう。
・オリジナリティがない
どこにでも売ってありそうなモノを作っていませんか? ハンドメイド作品が買われるもっとも大きな理由は、「ここでしか買えない特別なもの」だからです。
見た目・世界観・ストーリー・ネーミングなどでオリジナリティを出して、あなたしか作れないモノを生み出しましょう。
・知られていない
全てのビジネスは「認知」から始まります。お客さんに買ってもらう前に、知ってもらう努力をしているかということです。
様々なプラットフォームを使ってあなたの商品を一人でも多くの人に知ってもらう必要があります。ただ気づいてもらうのを待っているだけでなく、興味のありそうなお客さんに自分から向かっていくこともときには大事なこと。
今はSNSでいいねを押したりコメントを残したりしてアプローチすることができます。始めたてでフォロワーも少ない時期は、こうした地道な活動も重要になってきます。
・買う理由が作れていない
売れているハンドメイド作家は「買う理由を作る」ことも上手です。
「欲しい」と思ってもらうために良い作品を作ることも大事なことですが、「買わなきゃ」と思わせるテクニックも存在するのです。
売れている作家さんの本を読んだり話を聞くと「こんな売り方があるのか!」と驚きます。作品が良いのはもちろんですが、特に「買う理由作りがうまいなぁ」と感じます。
売れているハンドメイド作家さんが使っているノウハウやテクニックについては後ほど解説します。
売れないハンドメイド作家が抱える3つの原因と解決方法のヒント
【ハンドメイドで成功するには「何を作るか」が重要】
「どうやって売るか」の前に重要なポイントが、「どんな商品を作るか」です。
売れる商品にするには、作る前から戦略が必要です。ハンドメイド作品を作り始める前に意識しておくべきポイントは以下の4つです。
・カテゴリ分類が存在するものを作る
・リピートできるカテゴリにする
・10人以上が買っている人気商品の特徴を反映する
まずはこれらを意識した商品作りを行いましょう。
・作りたい商品だけではNG
商品を作るときには「作りたい商品」だけでなく「売れる商品」も意識的に作らなくてはいけません。
ハンドメイドで稼げていない方の多くは、「自分が売りたい商品」ばかりを作っています。趣味でやる分には何も問題ありませんが、販売して収入にしたいと思ったら「売れる商品」を意識して作っていく必要があります。
もちろん、楽しく続けていくためには自分が作りたいものを作って販売していくことも大事です。作りたくないものを作って売れたとしても嬉しくないと思う人もいるでしょう。
そうならないためにも、自分が作りたいものだけでなく売れやすい商品も作っていく努力をしてみましょう。
・カテゴリ分類が存在するものを売ろう
売れる商品にするには、「カテゴリが存在する商品」を作ることが重要です。
minneやCreemaなどのオンラインハンドメイドマーケットでは、ユーザーが検索しやすいようにカテゴリ分けがなされています。
つまり、ユーザーはカテゴリで自分の欲しいジャンルを絞ってから商品を選ぶわけです。ということは、特定のカテゴリ中に自分の商品が入るようにしなければ見つけてもらえません。
各サイトにカテゴリ分類がある商品を作りましょう。カテゴリが存在しないもの、細かいカテゴリに行ったときに「その他」に分類されるものは、出品しても売れにくいです。
そして、出来ればカテゴリの中でも需要の多い人気カテゴリで出品できる商品を作った方が良いでしょう。
・リピートできる商品の方が売れやすい
ハンドメイドで稼ぐためには、リピートできる商品であることも重要です。リピートできる商品とは「いくつ持ってても良い」商品です。
いくつも欲しいと思ってもらえるカテゴリの商品を作ることで、リピート買いにも繋がりますし、まとめ買いもしやすくなります。
具体例として、ネックレスと財布で考えてみましょう。
・何個も持っている人が多い。
・その日の気分で使い回しができる。
・気に入ったものがあれば買いやすい
・「何か良いのないかな?」で探しやすい
・基本的に1個しか持っていない
・数年は買い換えない
・良い財布を見つけても今持っているものが使えるなら買い換えない
・暇なときに探してまわることはない
このような特徴があるときに、出品側の視点から見ると圧倒的にネックレスの方が買ってもらいやすいことがわかると思います。
ハンドメイドで稼ぐには継続的に購入してくれるリピーターの存在が不可欠です。財布のような特徴を持つ商品の場合は、どれだけ気に入ってもらえたとしても基本的に一度購入されたら終わりです。
リピートできる商品の場合は、一度気に入ってもらえたらまた購入してもらえる可能性は高くなります。
初回の購入でもリピート購入でも、買ってもらいやすいのはリピートできる商品ということを覚えておきましょう。
・10人以上が買っている商品を参考にする
売れている商品を見ることで売れる商品のヒントがわかります。売れている商品を参考にしてどのような商品を作るか決めましょう。
minneやCreemaの場合、商品の一覧画面で「10人以上が購入」といった文字があり、よく売れている商品であることがわかります。
売れる商品には必ずニーズがあります。いろ、かたち、特徴など、売れている商品のどういったところにニーズがあるのかを考えれば、作るべき商品が見えてきます。
自分の好きなものと世の中のニーズはズレていることがよくありますので、自分では理解できなくても情報として世の中のニーズを知ることは重要です。
もちろん丸パクリではいけませんし、考えて作ったところで売れないこともあります。けれど、確率的にはニーズにマッチした商品を作ることで売れやすくなるでしょう。
何を作るかを考えてから作れば、それだけで売れやすい商品を生み出すことができます。ハンドメイド作家のほとんどは、思いついたものをなんとなく作って販売しています。
これらのポイントを押さえるだけで、他の作家に差をつけることができます。
【売れるハンドメイド商品にする為の7つのテクニック】
ハンドメイド作品を販売する上では、「何を作るか」がもっとも重要だとお伝えしました。ですが、販売数を上げる具体的なテクニックというものも確実に存在します。
まずは上記の「売れる商品を作る方法」を参考に商品作りをしてもらいたいですが、売れやすくなるテクニックの部分も紹介します。両輪で取り組んでみてください。
1、ライバルよりも商品のクオリティを上げる
クオリティを少しでも上げましょう。ハンドメイドはメーカー製のものに比べて信用が低いです。
そうならないためにも、ハンドメイドサイトのランキングで上位に入っている商品を実際に購入してみて、商品の質や梱包方法などの基準をそこに合わせましょう。
2、継続購入につながる手紙、おまけ、チラシを入れる
売れている作家さんの多くは、ラッピングや梱包にも気を配っています。
手紙やおまけ、リピート購入を促すチラシなど、喜んでもらいながらファンになってもらえる仕掛けを考えて忍ばせましょう。
3、写真の雰囲気づくりと枚数
ハンドメイドマーケットサイトに登録する際、写真は非常に重要です。
・おしゃれな紙を下敷きにする
・世界観の伝わる小物を用意する
・様々な角度から撮る
・使用シーンがイメージできるように撮る
・ラッピング写真もアップする
他にもテクニックは山ほどありますが、最低限これらは押さえておきましょう。
また、枚数をたくさん載せるのもポイントです。お客さんはとにかくいろんな情報を見たいもの。商品単品での奢侈案だけでなく、実際につけたイメージやサイズ感のわかる写真を用意すると良いでしょう。
心理学の用語に「単純接触回数」というものがあります。ヒトは何回も接触するうちに好意を持つというものです。
写真が多いということは商品とお客さまの接触回数が増えるということ。たくさん見てたくさん好きになってもらいましょう。
4、選択肢を複数用意しておく
「カラーバリエーション」や「大きさ」などの選択肢を用意しておくこともポイントです。
基本的に人は商品を買おうとするとき、いくつかの選択肢から選ぼうとします。例えば、皆さんの商品か、別の人の商品かといった感じです。
ですが、カラーバリエーションがあると、「この中でどれを買おう?」という一歩進んだ段階に進ませることができます。つまり、他の人の商品という選択肢がなくなるということです。
その他にも選択肢を用意しておくと、選べる楽しみができたり、リピート購入に繋がったりというメリットもあります。
5、オリジナリティのある表現で価値を上げる
特徴をあえて個性的にすることも差別化につながり、購入されやすくなる要因になります。
例えば、同じ商品でも「ピンク」と書かれているものと「シャビーピンク」と書かれているものがあったら後者の方が良いモノに見えやすくなります。
ちょっとした個性を出すことでモノの価値は上がるので、当たり前の表現を見直してみるのも手でしょう。
また、世界観や物語性などを加えることもオリジナリティを表現する1つの形になります。物語性などを考える上ではクラウドファンディングのサイトも参考になりますのでチェックしてみてください。
6、様々なチャネルを用意する
より多くの人に販売するには、より多くの人に知ってもらう必要があります。そして、知ってもらうには様々な場所に出ていく必要があります。
オンラインのハンドメイドマーケットだけでも以下のようなプラットフォームがあります。
その他にも、メルカリやフリル、ヤフオクやモバオクなど無料で商品を販売できるチャネルには様々なものがあります。それぞれ微妙に利用者の層や売れやすい商品なども異なってきます。
また、インスタグラムやライブ配信アプリでも商品の販売が出来ます。SNSはハンドメイドサイトよりも見つけてもらいやすく、ファンにもなってもらいやすい特徴があるので活用しない手はありません。
また、SNSもインスタグラムだけでなく、TwitterやFacebook、Tiktokなどを活用できると尚良いでしょう。見ている人も違いますし、コミュニケーションのとりやすさもお客さまによって違うはずです。
7、たくさんの情報を詰め込む
販売サイトには、商品や作家の情報を詳細に載せましょう。欲しいと思ったときにお客さんは「どんな人が作っているどんな物なのか」を積極的に知ろうとします。
特にハンドメイド作品の場合は信用できるものなのかを知ってから買おうとするでしょう。その際、簡素な説明しかないとお客さんの不安は払拭されません。
・作家の説明、経歴と実績、想い、メッセージ
・購入者の声、評価、評判
こうした情報を極力たくさん書き込むようにしましょう。プロフィールや商品情報を知れば知るほど好意が増していき、購入につながります。
8、訴求パターンをたくさん用意する
訴求パターンとは以下のようなことです。
- 大切な友達の誕生日プレゼントにいかがですか
- 自分のご褒美にぜひ
- 今ならゴールデンウィークまでに発送できます
「納得できる理由を用意する」ということです。 買いたい気持ちを正当化すると、お客さまは気持ちよく買い物ができます。
初めの頃は「自分の商品を売る」という行為が苦手な方もいるかもしれません。しかし、お客さまはそんなに気にしていませんし、ネットで販売すればお客さまの顔が直接見えるわけではありません。
大抵の場合は売り手の「気にしすぎ」です。
押し売り感を強く出せというわけではありませんが、少し謙虚な感じでこうした訴求文を添えてみてはいかがでしょうか。
【作品が売れない時期は何をすべき? 値下げよりも大事なこと】
売れない時期が続くとしんどいですよね。「値下げした方がいいのかなー」とか「もうやめようかな」という気持ちになることもあります。
もっと売り上げをアップさせて好きなことで生きていきたい。そう思うのであれば、作品作りだけでなくビジネススキルもレベルアップさせなければなりません。
売れないと悩んでいても何か変わるわけではありません。売れない時期はレベルアップをする時間と割り切って、勉強をしていきましょう。
私がおすすめするのは「Kindle Unlimited」を使っての勉強です。
Kindleの特徴は一般の書店にない本も多いこと。書店でハンドメイドの本を探しても「作り方」ばかり。売り方の勉強や実際に売れている人の体験談を学べる本は多くありません。
しかし、Kindleにはハンドメイド販売で成功した人の本がいくつもあります。成功のノウハウやコツに気づけたら、今よりもっと売れるようになるかもしれません。
せっかく作った商品を販売するなら、売れっ子の仲間入りをしたいですよね。どんなことをしたら稼げるハンドメイド作家になれるのかは、こうした本で学ぶことができます。
Kindleで読めるハンドメイド系の本には以下のようなものがあります。
・ハンドメイド作家のための教科書|minneが教える売れるきほん帖
・東工大生が教える「ハンドメイド販売を始めて3ヶ月で月に15万円売るテクニック」
Kindle Unlimitedは1ヶ月980円です。本を買おうと思ったら1冊1500円ほどはザラ。980円で読み放題でこうした本が何冊も読めて勉強できると考えたら、圧倒的にコスパが良いですよね。
また、Kindle Unlimitedには30日間の無料トライアルがありますので、30日間で出来るだけの本を読んで学ぶのも1つの手。
期間内に解約すれば1円もかかりませんので、実質無料でハンドメイドで稼ぐための秘策が学べます。
Amazonでアカウントを持っている方なら、ワンクリックで今から勉強を始めることができます。
ハンドメイドで稼いでいる人から、成功のノウハウを学んでみてはいかがでしょうか?
【ハンドメイド作品を売るのはビジネス|勉強と試行錯誤が重要】
売れっ子ハンドメイド作家になるポイントは以下の2つ。
この記事でお伝えした方法を使えば、今よりもっと売れる作品を作ることができるでしょう。
しかし、ビジネスにおいて確実な正解というものはありません。いくら上手くいった方法でも、モノや状況が変われば同じように成功するとは限らないのです。
だから勉強を続ける必要があります。方法を知って、実際に試行錯誤する中でうまくいく方法が見つかります。
最後に、ハンドメイド作家として成功するために参考になる本をご紹介します。これからさらに売り上げを伸ばしていきたいと考えている方はぜひこれらの本で勉強してみてください。