Coincheck(コインチェック)に対しては「危ない」という評判も聞かれますが、投資スタイルや使い方によっては最適な取引所になり得ます。
この記事ではCoincheckの良い評判と悪い評判から、どんな人におすすめな取引所なのかをお伝えします。
私は国内外の仮想通貨取引所を5つ以上使い分けていますが、用途によってはコインチェックが一番良いと感じています。
SNSでは手数料が高くてぼったくりだとか詐欺だとか言われていますが、それは使い方が悪いだけ。Coincheckの賢い使い方をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
【やばい? 危ない? Coincheck(コインチェック)の悪い評判】
仮想通貨を購入できる暗号資産取引所は日本に30箇所ほどあります。それぞれの取引所によって特徴は異なりますが、仮想通貨ユーザーの中には「Coincheckはヤバい」と言っている人も。
なぜCoincheckは使わない方がいいと言われるのでしょうか? そこには以下の7つのデメリットが関係しています。
それぞれ詳しく解説します。
1、スプレッド(手数料)が広すぎて損しやすい
国内の暗号資産取引所の多くは「販売所」と「取引所」を持ちます。
販売所はお店のようなもの。Coincheckというお店からビットコインなどを購入します。
一方の取引所はメルカリのようなものです。ユーザー間でビットコインの売買を行います。取引所は売りたい人と買いたい人の注文が1枚の板に書き連ねるようになっているので、「板取引」とも呼ばれます。
それぞれの販売形式によって手数料の呼び方も変わります。販売所では「取引手数料」は無料ですが、スプレッドという名の手数料がかかります。逆に取引所で購入する場合には「取引手数料」がかかりますが、「スプレッド」はかかりません。
わかりやすいように例を出したいと思います。
例えばメルカリを利用する場合、出品者側はプラットフォームの利用手数料を数%払わなければなりません。システムを利用させてもらっている分、手数料が発生するのは理解できますよね。
一方、お店でモノを買うときに手数料は発生しません。しかし、よくよく考えたら、お店が仕入れた値段と売る価格には差がありますよね。仕入れ値と売価の差がお店の利益になっています。
これがお店で買う場合の実質的な手数料であり、暗号資産取引所の場合はスプレッドと呼ばれます。
しかも、Coincheckの場合はそのスプレッドが大きいのがデメリット。取り扱われている仮想通貨はそれぞれ割高で販売されているのです。
スーパーでは100円で買えるコーラがコンビニでは150円するのと同じ感じです。国内の暗号資産取引所の中でも販売所のスプレッドが特に大きいため、「ぼったくりだ」と言われているのです。
しかし、これはあくまで販売所の話。Coincheckには取引所もありますが、取引所を利用する場合の取引手数料は0円で完全に無料です。Coincheckでは「取引所」を利用すれば、損をすることはありません。
2、スマホアプリでは「販売所」しか利用できない
Coincheckの販売所はスプレッドが高いため、取引所で購入するのはおすすめです。
しかし、Coincheckのスマホアプリでは販売所しか利用できないようになっています。アプリで買う場合は自動的に販売所で買うことになり、そのためスプレッドもかかります。
技術的な問題なのかワザとそうしているのかはわかりませんが、スマホで買おうとすると割高になってしまうので注意が必要です。
Coincheckを利用する場合は、スマホではなくパソコンからログインし、取引所で購入するようにしましょう。
3、取引所(板取引)で買えるコインが少ない
Coincheckの取り扱い銘柄数は2023年12月時点で29種類。国内の暗号資産取引所としてはトップクラスに多い種類のコインを購入できます。
しかし、それはあくまで「販売所」の話です。Coincheckには販売所と取引所があり、販売所ではスプレッドがかかるので取引所で購入することをおすすめしました。
ところが取引所で売買できるコインは9種類しかありません。販売所では29種類のコインを扱っているのに、取引所では9種類のみ。
他の取引所ではもっと多くのコインが売買できるので、Coincheckは取引所ユーザーには使いにくいと言えます。
逆にビットコインしか買う予定がない方に関しては何の問題もありません。
4、送金手数料が高すぎる
仮想通貨投資家の中には、海外の暗号資産取引所を使って国内の取引所で買えないコインを買いたいという人もいるでしょう。
国内で買える仮想通貨はほんの20種類ちょっと。世界には数千の仮想通貨があるので、そうしたコインを買うためには海外の暗号資産取引所を使う必要があります。
海外の暗号資産取引所で仮想通貨を買うには、国内の暗号資産取引所で買ったビットコインなどを送金し、他のコインに交換するという手順になります。
また、日本でも話題になっているNFTを買いたいという方もいらっしゃるでしょう。
NFTを買うためには、国内の取引所で買った仮想通貨を「仮想通貨ウォレット」というオンライン上のサービスに送金しなければなりません。
仮想通貨を海外の暗号資産取引所や仮想通貨ウォレットに移すことを「送金する」と言います。
送金には基本的に手数料がかかりますが、Coincheckの場合は送金手数料も他の取引所と比べて高めに設定されています。
コインによっては、1万円分のコインを送金するだけで2〜3000円の送金手数料がかかる場合も。
GMOコインやDMMビットコインといった取引所では送金手数料が0円です。そうしたところと比べると、Coincheckはぼったくりだと言われてもしょうがないですよね。
しかし、中には送金なんてせずにCoincheckだけで売買をする人もいるでしょう。そうした人については送金手数料が高いことは関係ありません。
5、レバレッジ取引ができない
投資の世界では「現物取引」と「レバレッジ取引」というものが存在します。
現物取引とはその名の通り、持っている資産(現物)を使って取引する方法です。一方のレバレッジ取引とは、持っている資産の数倍のお金で取引できる仕組みのことです。
100万円分のビットコインを2倍のレバレッジで購入すれば、コインの値段が上がった時の利益も大きくなります。しかし、逆に値段が下がった場合には損も大きくなるので初心者にはおすすめしません。
Coincheckではレバレッジ取引の仕組みが用意されていません。そのため、持っている金額以上で勝負をしたい投資家には向いていない取引所なのです。
6、コイン同士の交換が直接できない
仮想通貨は銘柄によって値動きが異なります。ビットコインを持っていても、イーサリアムの方が儲かるかもと思ったら、ビットコインをイーサリアムに交換したいですよね。
しかし、Coincheckでは直接コイン同士を交換することができません。
ビットコインをイーサリアムに交換したいと思ったら、ビットコインを一度売却して日本円にした後に、イーサリアムを購入しなくてはなりません。一手間増えることに不満を感じる人もいるようです。
しかし、他の取引所なら自由にコイン同士を交換できるわけではありません。
ビットコインとイーサリアムの交換には対応していても、交換不可能なペアもあるので、Coincheckだけが直接交換できないというわけではないのです。
7、ハッキング事件のイメージが強い
Coincheckでは2018年に「仮想通貨NEM流出事件」というものが起きています。システムがハッキングされて、580億円相当の仮想通貨「NEM」が盗まれたのです。
そんな声も多くあります。
しかし、CoincheckではNEM流出事件後、セキュリティを大幅に強化しています。
- インターネットから切り離してオフライン上で管理するコールドウォレットの採用
- 2段階認証の徹底
- 外部専門家の協力を要請し、技術的な安全性を向上
- 顧客資産分別管理の実施
- マネックスグループ傘下になり、ガバナンス体制やコンプライアンス体制の強化
このような施策により、ハッキングや不正が起こりにくいシステムを再構築されています。今では世界有数のセキュリティの強固さを持つ取引所と言っても過言ではないでしょう。
また、NEM流出事件で損害を負ったNEM保有者に対しては、自社資本での補償も行われました。規約上は何の補償も行われなくてもおかしくなかったのですが、真摯に対応された点には評価も集まっています。
以上の7つがCoincheckのデメリットと悪い評判の理由です。
使い方にとっては「とんでもなく使えない取引所でぼったくりだ!」という印象になるかもしれませんが、それ以外の人にとっては「別に普通」な印象なのではないでしょうか。
Coincheckはやばいという口コミもある中、実は国内の暗号資産取引所の中で利用者が多いというのも事実です。以下は「お金の知恵袋」が行なった仮想通貨ユーザーへのアンケート結果です。
もっとも使われている仮想通貨取引所の第1位がCoincheckとなっています。ということは、デメリットや悪い評判だけでなく、良い評価もあるということでしょう。
次の章では、Coincheck利用者の良い評判についても紹介します。
【Coincheck(コインチェック)の良い評判|実は国内の取引所の中でも人気】
上述した通りCoincheckは国内で最も使われている暗号資産取引所になっています。特に仮想通貨初心者にとってはメリットの多いおすすめの取引所。Coincheckの良い評判は以下の8つです。
それぞれ紹介します。
1、画面が見やすくて使いやすい
一般的な暗号資産取引所の管理画面は、黒い画面にチャートと呼ばれる線に英語での省略語、コンマ何秒で入れ替わる赤と緑の数字と訳のわからないものばかりで構成されています。
しかし、Coincheckの画面はそれらと異なり、非常に見やすく使いやすいように設計されています。
楽天やAmazonで商品を購入する時くらいわかりやすい印象です。初心者が仮想通貨投資を始めるのにぴったりの取引所でしょう。
2、ユーザー数が多くて安心
Coincheckアプリは累計600万ダウンロードを突破し、2023年の年間ダウンロード数「国内No.1」を獲得(※ 対象:国内の暗号資産取引アプリ、データ協力:AppTweak)
ユーザー数が多いということは仮想通貨取引所選びで重要な指標です。
・開発資金が集まり、セキュリティも強固になる
・新規コインの上場申し込みが増えて、買えるコインが増えやすい
ユーザー数の多いCoincheckであれば、こうした点でメリットが多いと言えます。
3、セキュリティ対策がしっかりしている
Coincheckは2018年に大規模なハッキング被害に遭いました。その額は約580億円相当額。
当時はホットウォレットと呼ばれる、オンライン上でスピーディーに取引できるけどハッキングの被害に遭いやすい保管方式が採用されており、セキュリティが強固とは言えませんでした。
しかし、ハッキング事件後には多くのセキュリティ対策を実施しています。
- インターネットから切り離してオフライン上で管理するコールドウォレットの採用
- 2段階認証の徹底
- 外部専門家の協力を要請し、技術的な安全性を向上
- 顧客資産分別管理の実施
- マネックスグループ傘下になり、ガバナンス体制やコンプライアンス体制の強化
こうしたセキュリティ対策により、世界でも有数の安全性を持つ取引所へと生まれ変わっています。
ハッキングのイメージが強い人もいるかと思いますが、ハッキング事件を乗り越えてなお人気の取引所であるのには、しっかりとした理由があるんですね。
4、いろんなコイン(暗号資産)が買える
Coincheckの販売所では29種類のコインが取り扱われています。(2023年12月時点)
取り扱い数の少ない他の取引所では、買いたいコインがないと別の取引所を使わなければなりません。
主要なコインは大体Coincheckで購入できるので、初めての仮想通貨購入はCoincheckを使えば間違いないでしょう。
5、いろんなサービスがある
Coincheckは仮想通貨の売買ができるだけではありません。
Coincheckつみたては国内で唯一銀行からの自動引き落としに対応。毎月勝手に仮想通貨を買い増ししてくれるので、ほったらかし投資に最適です。
また、長期保有が目的なら貸暗号資産サービスもおすすめ。現金化する予定がないビットコインを預けておくことで利息としてビットコインがもらえます。銀行の定期預金のようなものですね。
こうしたサービスを組み合わせれば、どこよりも便利な暗号資産取引所になり得るのです。
6、取引所での売買なら手数料は0%
Coincheckのデメリットは販売所のスプレッドが大きく、割高での購入になること。しかし、パソコンからログインして「取引所」で売買すればスプレッドも取引手数料も0円です。
取引所で売買できる銘柄はビットコインに限られますが、手数料0円でお得に売買ができるのは大きなメリットです。
これを知らずに「Coincheckはスプレッドが高くてぼったくりだ」と言っている人もいますが、実はビットコインを買うならCoincheckは非常にお得な取引所なのです。
7、口座開設手数料や口座維持手数料がかからない
コインチェックは、口座開設手数料や口座維持手数料がかかりません。これは、初めて暗号資産取引をする方にとっては大変ありがたいこと。
暗号資産取引所においての手数料は、投資での儲けを減らす大きな要因です。そうした手数料がかからないことで、取引による収益を最大限に得ることができます。
8、イーサリアムがなくてもNFTを買える
日本のテレビ番組でも特集が組まれるくらい話題になっているNFT。一般的にNFTを買うにはイーサリアムを仮想通貨ウォレットに送金して、OPENSEAというNFTプラットフォームで購入するという流れになります。
基本的にはイーサリアムを持っていないと買えないのです。
しかし、Coincheckは「Coincheck NFT」という独自のNFTマーケットプレイスを持っています。
Coincheck利用者なら誰でもNFTを買えるプラットフォームで、さらにCoincheckで取り扱いのあるコインならどれでも使えるのです。
つまり、イーサリアムを持っていなくてもNFTを買えるということ。
そうしたリスクなしにNFTを買うことができるのは非常にありがたいポイントでしょう。
【コインチェックを絶対に使わない方が良い人|こんな人はやめとけ】
Coincheckのメリットとデメリットをお伝えしてきました。こうして見てみると、Coincheckを使うべきではない人の特徴が見えてきます。
まずはCoincheckで取引をする上ではスマホアプリではなくパソコンが必須だということ。パソコンを持っていない人は必然的にスプレッドのかかる販売所を使うことになるので損です。
また、取引所ではビットコインしか買えないことを考えると、それ以外のコインを買いたい場合もスプレッドのかかる販売所を使わないといけません。
ビットコインしか買うつもりがないのであれば問題ありませんが、ビットコイン以外のコインを買いたいのであれば他の取引所の方が良いでしょう。
また、海外の取引所を使ったり、NFTを買うためにメタマスクに送金する必要がある方にもCoincheckは向いていません。
Coincheckは送金手数料がかかります。送金するたびに損をしてしまうので、送金手数料0円の取引所を使った方が良いでしょう。
上記の特徴に当てはまる人にとってはCoincheckは正解ではありません。GMOコインのようにスマホでも取引所が使えるところや、送金手数料のかからない取引所を選びましょう。
【コインチェックが向いている人の特徴と賢い使い方】
Coincheckは上述した通り、使い方によってはおすすめできない暗号資産取引所です。しかし、特定の使い方であれば、非常に使いやすくおすすめの取引所でもあります。
その使い方とは、以下のパターンです。
つまり、「パソコンが使えて、ビットコインを長期保有したいという目的ならベストな暗号資産取引所」だということです。
取引所を使えばビットコイン価格以外の手数料は一切かかりませんし、積立や利息がもらえる貸暗号資産などのサービスでは群を抜いています。
また、チャートや数字の羅列を見ただけで苦手意識を持つ方もいますよね。そんな仮想通貨初心者にとっても画面の見やすさや取引のしやすさは大きなメリットです。
もちろん、他のコインを買ったり、NFTやメタバースなどのサービスと連携させるためにはGMOコインなど他の暗号資産取引所を使った方が良いでしょう。
しかし、初めての方やビットコインにしか投資しない方にとっては、メリットの多い取引所であることを覚えておいてください。
【Coincheckは詐欺が危ない? 偽のサイトや怪しいメールに要注意】
最近、Twitterを見ていると「Coincheckで詐欺にあった」という投稿を見かけました。
どういうことなのかと調べてみると、他にも被害者が多数いることがわかったのです。詐欺に遭うような怪しい取引所なら絶対に使いたくないですよね。
このように、Coincheckを名乗る何者かが嘘のキャンペーンの当選案内を送ってくる事案が発生しています。こうした詐欺はCoincheckだけでなく、Amazonや楽天、Apple Storeでも起きていました。
対策としては、サイトのURLやメールアドレスが公式のものか確認すること。1文字でも違和感があれば詐欺の可能性があります。
Coincheckの運営からも以下のように注意喚起がなされています。
Coincheckが詐欺をしている訳ではありませんが、利用する場合は詐欺に合わないよう十分注意することが必要です。
Google検索の広告やSNSでの怪しいDMなどは絶対にクリックしないようにしましょう。
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