ツラい残業は拒否できる? 相談すべき相手と転職した方がいい残業時間の基準

ツラい残業は拒否できる? 相談すべき相手と転職した方がいい残業時間の基準

残業は法律で認可されているため、従業員は拒否することができません。しかし、相談や交渉によって今より働きやすい環境を手に入れることは可能です。

  • 会社は残業を強要していいの?拒否権はある?
  • 残業時間の平均ってどれくらい?みんなどれくらい残業してるの?
  • 体を壊してしまう目安の残業時間は?
  • 残業についての悩みは誰に相談するのが良い?

この記事では辛い残業に苦しむ方に向けて、このような内容を解説します。

私の知人は月に100時間の残業を続けた結果、過敏性腸症候群を患って体の調子がおかしくなってしまいました。しかし、残業との因果関係が証明できないので労災として認められず。会社に責任をとってもらえないまま、澱んだ日々を過ごしています。

きつい思いをして残業に取り組んでいるのであれば、いつか体を壊して働くことそのものができない体になってしまうかもしれません。

記事の後半では仕事の悩みやキャリア構築について相談できる相手を紹介していますので、参考になれば幸いです。

 

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【そもそも残業を強要していいの? 労働基準法で違法では? 拒否権はある?】

【そもそも残業を強要していいの? 労働基準法で違法では? 拒否権はある?】

会社では定時(労働時間)が決まっていますよね。定時を過ぎたら仕事をする義務はありません。

しかし、納期や人手不足を理由に残業を依頼されることもありますよね。依頼されるならまだしも、残業を強要する会社も少なくないでしょう。

私が前に所属していた会社は24時まで営業しているお店でした。社員は早番と遅番で分かれて出勤することになりますが、遅番社員の出勤時間は13時と決まっていました。

そのため、必然的に労働時間は11時間以上となります。つまり、残業せざるを得ないシフトの組まれ方をしていたのです。

決められた労働時間を働けば帰っていいはずなのに残業させる。これは労働基準法違反ではないのでしょうか?

 

・残業に関する労働基準法のルール

厚生労働省は法定の労働時間を決めており、それが労働基準法と呼ばれるものです。内容は以下のようなものです。

  • 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
  • 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
  • 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

これが一般的な労働基準法のルールです。ということは、それ以外の時間に労働を強要するのは労働基準法違反になりますよね。

しかし、実はそれ以上の労働を例外的に認められているケースがあります。それが、労使協定(36協定)を結んだ場合です。

 

・ほとんどの場合、残業が合法になる労使協定を結んでいる

労使協定とは労働基準法の第36条に記載があるため、通称「サブロク協定」とも呼ばれます。内容は以下の通りです。

労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。(参照:厚生労働省

サブロク協定にサインをした場合、月に45時間または年360時間未満の時間外労働をあなた自身が許可したことになります。

また、さらに「特別条項つき36協定」というものも存在し、これにサインした場合は以下の条件まで受け入れると契約したことになります。

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計の2~6か月平均が80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えられるのは年6か月まで

ほとんどの企業は36協定や特別条項つき36協定を従業員と結んでいます。

入社時にサインをした書類の中に、この36協定の用紙もあったはずです。そうすると、「残業をします」とあなた自身が宣言していることになり、残業が合法になるのです。

 

・労使協定を結んでいると残業命令に対する拒否権はない

36協定が締結され、就業規則で残業命令に従わなければいけないことが規定されている場合、正当な理由なく残業を断ることはできません。

あなた自身が契約書にサインをしてしまっている以上、残業を拒否する権利はないのです。

もしかすると締結時に詳しい説明がなかったかもしれません。「ここにもサインをして」と言われて、言われるがままにサインをしてしまった可能性もあります。

しかし、会社はしっかりと36協定についての説明が書かれた上であなたのサインが入った契約書を持っています。確認せずにサインをしたあなたが悪いということになってしまうのです。

「労働時間外に残業させるなんておかしい」と思っている方もいるかもしれません。ですが、契約の範囲内であれば違法ではないというのが現実です。

 

【日本人の平均残業時間は45時間〜50時間? 過労死ラインを超える人も多数】

【日本人の平均残業時間は45時間〜50時間? 過労死ラインを超える人も多数】

厚生労働省の参考資料によると、36協定を締結している企業の割合は55.2%。また、特別条項付きの協定を締結している割合は全体の22.4%となっています。

特別条項付きの協定に関しては、大企業が多く締結していることもわかっています。(参照:我が国における時間外労働等の現状

資料の中では平均残業時間も算出されており、「日本の平均的な月間残業時間は一般労働者で13.9時間」とされています。

しかし、これだと残業時間が1日1時間以内の計算になりますよね。ちょっと少なすぎる印象を持つかもしれません。

以下はOpenWorkに集まった68,000人分の会社評価レポートの結果です。

約6万8000件の社員口コミから分析した残業時間に関するレポート

これによると、1日あたりの残業時間1〜2時間の人が全体の41.2%となっており、全体の平均残業時間は約47時間になっています。

厚生労働省の資料は企業からのレポートで、OpenWorkの資料は所属する社員からのレポートです。そう考えると実際の社員の口コミの方が信憑性は高いと言えるでしょう。

では、その中でも残業時間が多い業界はどこになるのでしょうか?

 

・残業時間が長い業界はどこ?職業別残業時間

働きがい研究所の調査レポートによると以下が残業時間の多い業種になります。

業種平均残業時間
戦略コンサルタント86時間
マーケティングコンサルタント85時間
プロデューサー・ディレクター72時間
施工管理71時間
パイロット63時間
デザイナー59時間
店舗開発・店舗管理59時間
設計58時間
研究・開発56時間
広報56時間
法人向け営業55時間
営業マネージャー55時間
エンジニア55時間
会計士・税理士54時間

参照:働きがい研究所調査レポート

コンサルタントやマーケターは年収も高く人気の職業ですが、時間外労働の長さもトップクラスですね。

また、プロデューサーや施工管理など、決まった期日までに仕事を終わらせなければならない業種も時間外労働が多い傾向にあります。

営業職や税理士などの場合はどうしてもクライアントの業務時間や隙間時間に商談が入ります。

保険の営業をイメージしてもらうと、お客様の仕事後や休日に話をしに行くことが多いため、休日出勤が増えそうですよね。こうした職種だと、自社で規定された労働時間以外の活動が多くなりがちです。

  • 高い成果が求められる
  • 納期がある
  • クライアントの活動時間に合わせる必要がある

こうした仕事を選ぶと残業や休日出勤などの時間外労働が増えてしまいます。

 

・何時間以上の残業が過労死ライン?

残業時間が増えることの最大のリスクが過労死になること。2021年には57人の方が過労が原因で亡くなりました。これは自殺を含まない数字です。

また、精神障害に関する労災請求は2346件と前年から300件も増加。残業をはじめとする仕事のストレスは年々大きくなっています。

では、過労死を防ぐためには、どれくらいの基準で働くべきなのでしょうか?

厚生労働省では、脳・心臓疾患に係る労災認定基準に関し、以下の基準を超える残業があった場合は、業務と発症との関連性が強いと公表しています。

  • 発症前1か月間におおむね100時間
  • 発症前2~6か月間にわたって平均80時間

過去のデータから見て、この時間を超えて働くと精神疾患や過労死につながりやすいということです。

上述した会社評価レポートによると、平均残業時間が47時間となっていました。中には80時間を超えて100時間に迫る人もいるでしょう。

そういった働き方をした人の多くがこれまでに何かしらの疾患を発症しています。

自分の命やこの先の人生、豊かな生活を守るためにも、残業が多い人は働き方を見直した方が良いかもしれません。

 

【きつい残業が多い仕事の弊害|一度きりの人生が台無しになります】

【きつい残業が多い仕事の弊害|一度きりの人生が台無しになります】

社会人として働く以上、残業をするのは当然だと思っているかもしれません。

しかし、きつい残業は確実に体を蝕みます。最初に伝えた私の知人のように、気づかないまま体がおかしくなってしまうこともあります。

残業が多いことの弊害は他にもあります。

  • 慢性的な疲労でうつっぽくなる
  • 出会いがなく婚期を逃す
  • スキルアップや勉強をする時間がない
  • 家族の大事な日に一緒にいれない
  • 時間外労働や休日出勤など、いいように会社に利用され続ける

こんな人生はイヤですよね。世の中には残業がほとんどないような仕事も存在します。それでも食べていくことはできるのです。

もしあなたが本当は仕事よりも家族や友人との時間を大事にしたいと思うのであれば、自分に最適な働き方を探してみた方が幸せになれるかもしれません。

 

【残業問題についての悩みはどこに相談すべき?】

【残業問題についての悩みは相談はどこにすべき?】

残業で苦しい思いをしているなら、相談してみることで解決の糸口が掴めるかもしれません。

残業の問題を解決するには大きく分けて2つのアプローチがあります。

方法相談相手
会社の体制を変える上司・人事・労基
自分が仕事を変えるキャリアカウンセラー

それぞれの相談方法を解説します。

 

・会社の体制を変えたいなら上司や人事に相談

残業問題を解決する1つ目の方法は、会社の残業体制を変えること。残業が当たり前になっている状態では、誰かが声を上げなければ改善されません。

毎年どこかで必ず賃金交渉やそのためのストライキなどが起こっているように、残業問題についても声を上げることで解決への手立てが見つかる可能性はあります。

そのために相談する相手は上司や人事部になります。

ただ近付いて話しかけるのではなく、事前にメールなどで相談したい旨を伝え、しっかり時間を作ってもらうようにしましょう。

しかし、場合によっては相談したあなたが不利益を被ることも。

会社に相談してもうまくいきそうにないときは労基(労働基準監督署)への連絡も視野に入れましょう。

労基に通報すると、状況を見て会社への立ち入り調査を行い、その上で是正勧告や再発防止のための指導を行ってくれます。

労基に申告をする場合は、労働環境に違法性があることを証明するための資料集めが必須です。

・雇用契約書や就業規則
・タイムカードやPC使用時間履歴等の客観的な記録
・給与明細書

こうしたものを集めて主張の正当性を高めましょう。

 

・自分が仕事を変えるならキャリアカウンセラーに相談

残業についての不満を会社の上司や人事に相談したところで、問題が解決できるとは限りません。逆に問題児扱いされて待遇が悪くなることも。

会社に意見をしたところ煙たがられるようになり、会社に居場所がなくなったという友人もいました。

時には他人や会社を変えるよりも「自分自身の身の置きどころ」を変えた方が良い場合もあります。要はあなたが転職するのです。

  • 今の会社をやめたい。
  • このまま今の仕事で働き続けられるか不安。
  • 自分のキャリアや働き方を1から考え直したい。

こうした思いを持つ方は、一度キャリアカウンセラーへ相談してみることをおすすめします。

キャリアカウンセラーとは仕事の悩みやキャリア構築に特化した相談ができる人のことで、国家資格にもなっている専門家です。

今の仕事はあなたにとって最適な職場ではないかもしれません。悩みを持っているとそれ以外の選択肢が見えなくなっています。

第三者への相談によって新しい視点で考えられるようになり、自分の仕事を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

キャリア相談の内容やおすすめのサービスについては以下の記事で紹介しています。気になる方は参考にしてみてください。

 

>>【厳選】キャリア相談が出来るおすすめカウンセリング5選|仕事や転職の悩みが解決する有料サービスを比較

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【残業がきつくてやめたいけど不安…やめても大丈夫?】

【残業がきつくてやめたいけど不安…やめても大丈夫?】

残業がきつくて辞めたいけれど、そんな理由で退職したら転職や今後のキャリアに響くのでは? そんな心配もありますよね。

結論、残業が理由で辞めても転職で不利になることはありません。伝え方次第ではよりポジティブな印象を与えることも可能です。

 

・残業がきつくて退職したときの転職理由の伝え方

残業がきつくて辞めてしまった。それが事実だと考えていても、本当の考えは別のところにあるかもしれません。

  • もっと効率的に仕事をして、さらに成果を挙げたい
  • 努力や成果に見合うだけの評価がほしい
  • 熱意を持って働けることに時間を使いたい

残業がイヤなのではなくて、非効率な働き方を強いる環境(会社)がイヤ。このような捉え方もできます。

こうすれば自分なりに課題を発見して、改善策を考えて行動したという風に捉えられますよね。

「残業時間が長くて体を壊してしまって…」ではなく、「イキイキと効率性を重視て仕事に取り組む環境に移りたい!」と伝えてみる。

こうすれば残業が原因で退職することに引け目を感じる必要はありません。

 

・残業が多い人はすぐに失業手当がもらえる

残業の多い仕事を続けたことで、「すぐに転職するのではなく少し休みたい」と思っているかもしれません。

退職後は失業手当がもらえるのですが、自己都合で辞めた場合は基本的に2〜3ヶ月後からの支給になります。

しかし、残業が多いことが原因で辞める場合、条件によっては自己都合ではなく会社都合と認定してもらうことができるのです。

要は、2〜3ヶ月待たなくてもすぐに失業手当の支給が始まるということ。これなら退職後に収入がなくて心配になる心配がありません。

自己都合で退職した場合も会社都合として認められる条件は以下の通りです。

  1. いずれか3か月連続で残業が45時間を超えている
  2. いずれか2か月以上連続する月を平均して、1ヶ月80時間以上の残業をした
  3. いずれか1ヶ月で100時間以上の残業をした

※それぞれ離職前6ヶ月の間が対象

この条件を満たしている場合は、失業手当の申請でハローワークに行った際に会社都合での退職が認められます。

これは失業保険の制度上の話です。なので、会社からもらう離職票に「自己都合退職」と書かれていても関係なく申請できるのです。

失業手当を申請するにはハローワークへ離職票を持っていく必要がありますが、その際に残業時間を証明できる書類を用意しておきましょう。

タイムカードや給与明細のコピーなどがあれば十分です。それを持って「実は残業時間が非常に長くて、会社都合退職となる規定時間を超えていたんです。」と伝えれば、2〜3ヶ月待たずとも失業手当を受給できます。

残業代が多いことが原因で退職する方はぜひ覚えておいてください。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

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【参照記事】

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プロフィール
著者
NiSH

NiSHです。書店員時代にビジネス誌担当として全国Top5入賞。
退職後に独立し、ブックカフェ・ハンドメイド腕時計作り、アパレルブランド、ウェブメディアなどを運営。「自分の好きなことを仕事にする力」を磨いてきました。
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