メタバースをビジネスに活用できるかどうか。企業の分かれ道が迫っています。
この記事では、企業のメタバース活用法を7つお伝えします。
2021年後半にFacebook社がメタ社へ社名変更したことを契機に、にわかに注目の的となったメタバース。
- トヨタや日産などのVR展示会
- auのVRイベント開催
- BEAMSやディズニーなどのメタバースイベントへの出展
このようにメタバースを活用する企業が増えてきていまおり、中にはすでに100万人以上を集客しているイベントも。
VRやメタバースはまだまだ黎明期ではあるものの、それゆえ先行者利益を享受できる可能性もあります。
ぜひご参考ください。
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【メタバースとは「社会性を持ったVR空間」のこと|ビジネスへの活用が広がりつつある】
「メタバースって、VRゴーグルをかぶって映像を見るようなやつでしょ?」と思われている方もいるかもしれません。
VRゴーグルに対応したサービスもありますが、実はVRゴーグルがなくてもパソコンやスマホだけで始められるものもあります。
メタバースとは、大きく定義すると「3Dのバーチャル空間でヒトとヒトが交流する場」だと言えるでしょう。
もう少し厳密に表現しようとすると、メタバースに詳しい投資家のMatthew Ball氏が提唱している考えが参考になります。
- 永続的である
- 同時性&ライブ性がある
- 同時参加人数が無制限
- 参加者によるモノの制作・保有・投資・売買などが可能
- デジタルと物理、両方の世界にまたがる体験
- 今までにない相互運用性
- 数多くの企業/個人がコンテンツや体験を生み出す
ですが、この定義がすべて正しいというわけではありません。なぜならテクノロジーの急速な進化の中で、若干古い概念になってきているからです。
上記の提唱は2020年に行われたもので、その後にNFTやDefiなどよりブロックチェーンと結びついたサービスが登場。
それらを総括した「WEB3.0」という概念も出てきており、NFTなどと結びついたものこそがメタバースだと提唱する方もいます。
メタバースはまだまだ黎明期であるため、正しい定義自体がまだ完成していないのです。
仮想空間とVRという本の中で、「メタバースとは社会性を持ったVR空間」と定義されていました。個人的にはこの考えがもっともしっくりくるなぁと感じています。
バーチャルリアリティの中で、コミュニケーションを取ったり経済活動を行なったりできる。それがメタバースだと考えたら、様々な活用法が見つかるのではないでしょうか。
【メタバースをビジネスに活用する7つの方法|企業はどう参入すべき?】
では、企業がメタバースに参入しようと思ったらどのような活用法があるのでしょうか?
これまでの事例を見ていくと、以下の7つが挙げられます。
それぞれ解説します。
1、イベント開催や出展による集客
1つ目の活用法はメタバース内でイベントを開催するというもの。
バーチャルSNS「VRchat」やメタバースプラットフォーム「Cluster」といったサービスではVR空間を自由に設計してオリジナルのワールドを作ることができます。
そこに顧客を集客することで、展示会や商品の販売、コミュニケーションを行うことが可能に。
また、開催されるメタバースのイベントに出展するという方法もあります。
バーチャルマーケットというVRイベントでは過去に100万人を集客。そうしたイベントに出展すれば、認知の向上にも大きく寄与するでしょう。
2、NFTアイテムの制作・販売
2つ目の活用法はメタバース空間で使えるアイテム(NFT)の制作と販売です。
メタバース空間では、アバターと呼ばれるキャラクターに自分を置き換えて行動することになります。
アバターの容姿は自由に変更できるので、ユーザーの多くは自分の好みに合った服や装飾品などを購入して楽しんでいます。
NFTアイテムの制作や販売は主にアパレル業界での活用が増加。NIKEやH&Mもすでに参入し、中にはNFTアイテムの方が実物のアイテムよりも高額で取引されることもあります。
まだまだこうした事例が少ない今だからこそ、注目を集めることができるでしょう。
3、仮想空間の土地を保有して店舗運営や賃貸
メタバース空間として有名な「Decentraland」や「The Sandbox」では、ワールド内の土地の売買も行われています。
2021年12月には、Decentraland内の土地の一画が約100万ドル(1,1億円)で取引され話題になりました。
メタバース内の土地を買うことにどんな意味があるのでしょうか?
活用法としては以下のようなものが考えられます。
- オフィスやショップなどの建造物を立てて店舗運営
- 看板を立ててPR
- イベントの開催で入場料収入を得る
- 期間を設けて土地を貸し出し、家賃収入を得る
現時点ではこのような活用法があります。
例えば、注文住宅の販売を行う「HOUPARK」ではVRで住宅を製作。ゴーグルをつけて内覧ができるようなサービスも行っています。
これからさらに様々な活用法が登場してくるでしょう。
【9選】メタバースの土地の買い方を解説|おすすめのプラットフォームや購入価格の相場は?
4、メタバース空間で広告出稿|マーケティング活用
メタバース最大級のイベント「バーチャルマーケット」には100万人以上が参加したとお伝えしましたが、それだけの人が集まるところに広告を出せたらどうでしょうか?
前例は少ないものの、大きな費用対効果を得られるかもしれません。
現在はメタバース自体が黎明期であるため、ワールド内の広告もそう多くはありません。ということは逆に言えば目立ちやすいということでもあります。
Google広告やSNS広告が当たり前になったように、数年後にはメタバース広告も当たり前になるでしょう。
事業だけでなくマーケティングとしても活用する方法はありそうです。
5、メタバースを使った新規事業
出展したり広告を出したりといった活用法もありますが、これらはあくまで既存事業の延長線としての活用になります。
それとは別でメタバースを使った新規事業を立ち上げるというのも考えてみてはいかがでしょうか?
メタバースの普及に合わせて、既存の事業に捉われない新規事業の開拓をおこなっても面白いかもしれません。
6、オフィスのバーチャル化
社内のコストや働き方の見直しとしてもメタバースは活用できます。
その1つがオフィスのバーチャル化です。バーチャル空間にオフィスを構えることで、社員はメタバース上に出勤してきます。
同じ空間で仕事をし、ミーティングや雑談などもメタバース上で行うというイメージです。
後述しますが、このようなオフィスサービスを提供する企業は日本でも増えてきています。従業員の多い会社などは社屋や駐車場などの土地代に多くのコストがかかりますよね。
オフィスのバーチャルかは、そうしたコストの削減にもつながります。
7、教育プログラムをメタバース内で実施
もう1つ社内向けのメタバース活用法をご紹介します。それが教育プラグラムのメタバース化です。
メタバース空間では大画面で映像を流すことも可能。メタバースを使えば、大人数に対して同時に社員教育をすることが可能になります。
また、合同説明会や採用面接などをメタバース上で開催する企業も出てきています。社内向けのイベントや教育プログラムへの活用でもメタバースは役立つはずです。
まとめると、企業がメタバースを活用する方法としては以上の7つが考えられます。
貴社に取り入れられそうなものはありましたでしょうか?
しかし、実際にやるとなるとどのように進めていいかわかりませんよね。次章では、メタバースをビジネスに活用したい企業におすすめのメタバース導入支援企業をご紹介します。
すでにメタバースを使ったビジネスをいくつも実現しているので、相談してみると良いでしょう。
【「メタバース導入支援」を行う企業への相談がおすすめ|7社と事例を紹介】
メタバースを自社に取り入れたいと思っても、何からしたらよいかわからない方がほとんどだと思います。
そんな方におすすめなのが、メタバースサービスの導入支援をおこなう企業に相談すること。
先述したメタバース最大規模のイベント「バーチャルマーケット」や車の展示販売会なども、実はメタバースサービスを提供する企業が関わっています。
メタバースの導入支援をおこなう企業には以下のようなところがあります。
それぞれ特徴を紹介します。
・MOGURA NEXT
AR・VR・メタバースに特化した、リサーチ、コンサルティング、開発サービスを提供する「株式会社MOGURA」。
経済産業省や松竹株式会社、DENSOなど100社以上のメタバース事業を支援。企画から実施まで一気通貫でサポートしてもらえます。
専門的な知見が得られるコンサルティングにより、自社の事業に合うメタバース施策を見つけることができるでしょう。
・VR法人HIKKY
メタバース最大規模のイベント「バーチャルマーケット」を主催したことで有名な「VR法人HIKKY」。他にも以下のような事業支援実績を持ちます。
・アパレル
・展示会
・アミューズメント
・音楽ライブ
・販売店舗
「VR AWARD」「XR CREATIVE AWARD」など世界的な授賞式でも最優秀賞を受賞。独自のVR開発エンジンも持つ、日本を代表するメタバース企業と言えるでしょう。
・株式会社セブン&アイ・ホールディングス
・パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社
・トヨタ自動車株式会社
・Facebook Japan株式会社
・KDDI株式会社
・ソフトバンク株式会社
・アウディ ジャパン株式会社
・Netflix合同会社
・東宝株式会社
・株式会社大丸松坂屋百貨店
・株式会社阪急阪神百貨店
・株式会社三越伊勢丹ホールディングス
こうした企業のメタバース活用を支援された実績も持っています。
・V-Booth
株式会社ITPが提供するバーチャル展示会システム「V-Booth」。メタバース空間で商品や企業のPRを行いたい企業におすすめです。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響で例年通りの展示会が開催できずに悩まれている企業も多いはず。メタバース空間であれば三蜜や接触を気にせずに開催可能。
アクセス状況の確認や解析など、顧客管理ができるところも強みです。
・Cyzy Space
バーチャルイベントや3D展示会システムを提供する「Cyzy Space」。こちらはビデオ通話機能やAIチャットボットによる接客機能の付いたVR展示場を作ることができます。
バーチャル展示場、VRイベント、学会、シンポジウム、バーチャルキャンパス、ワークプレイス、VR店舗など、様々な用途に利用可能。
近畿大学のオープンキャンバスや豊田市のイベントのバーチャル版の提供実績を持ちます。
・メタバースオフィス「RISA」
バーチャルオフィスの導入におすすめのサービスが、「メタバースオフィス RISA」です。
・かわいいアバターのモーション
・部屋ごとに内観を変えられるワールド
こうした設定が数多く用意され、ビデオ通話や画面共有など機能も充実。楽しく仕事ができて生産性が向上するかもしれません。
クラウドワークスやコニカミノルタといった企業への支援も行っています。
・FAM office
富士ソフト株式会社が提供する仮想オフィス空間「FAM office」。
特徴は「ちょっとした相談」「雑談」「声掛け」ができ、一緒に働いているという「一体感」をバーチャル上で再現していることです。
ステータス設定やつぶやきなどで、仲間の状況を確認可能。
アバターに触るだけでビデオ通話を始められたり、会議室にドラッグ&ドロップするだけで最大12人のミーティングを開始できるなど使い勝手もGOODです。
1フロアで最大150人を同時に作業可能ですが、それだけ同時接続してもPCが重くならないところもメリットです。
・ZIKU
メタバース上で自社イベントを開催できるサービス「ZIKU(ジクウ)」。
メタバース空間を作るとなると、「空間デザインのアイディアや予算が気になる」という方もいらっしゃるでしょう。
ZIKUでは豊富なテンプレートが用意されているので、カンタンかつ安価に利用可能。画像や動画を設置するだけで、イベント会場を作ることができます。
また、来場者に対してリアルタイムでの接客が可能で、商談獲得率がアップする効果も。
ブースに入った来場者の個人情報や行動履歴をCSVファイルでダウンロードできるので、イベントを開催して終わりではなく、その後の事業運営やマーケティングにも活用できます。
公式サイトでは「無料体験」や「資料ダウンロード」もできるので、メタバースをビジネス活用したい方はぜひチェックしてみてください。
以上がメタバースの導入を支援してくれる企業7社でした。イベント開催やバーチャルオフィスの導入など、希望する用途に合わせて選定し、相談してみてください。
【リスクはある? メタバース活用のメリットとデメリット】
メタバースの活用法がなんとなくイメージ出来てきたでしょうか?
企業がメタバースを活用することにはメリットもありますが、いくつかデメリットとなりえる注意点もあります。
導入前にどのようなリスクが存在するのかを理解しておきましょう。
・メタバース導入のメリット
メタバースを活用することで得られるメリットには以下のようなものがあります。
これらは活用法でもお伝えしたとおりです。イメージもしやすいですよね。
では、逆にどのようなデメリットがあるのでしょうか?
・メタバース導入のデメリットやリスク
まだまだ出始めの分野であるメタバース。それを活用する上で「リスク」は存在していないのか心配ですよね。
メタバースを導入をする上で知っておくべきデメリットやリスクは以下のようなことです。
そもそも、メタバースというものが一般に受け入れられるのかという問題があります。多くの人がVRゴーグルをつけるような未来は正直まだイメージできないですよね。
また、メタバースを活用する企業は増えているものの、現時点ではまだまだ実例が少ないことも現状です。
さらに、仮想空間という新しい分野に法整備が追いついていないという問題もあります。そのため、可視化されていないリスクが潜んでいる可能性は否めません。
そうしたリスクを承知の上でメタバース事業には取り組んでいく必要があります。
知見のない状態で0からメタバースに参入すると思わぬリスクに遭遇することも。
メタバースには多くの企業が興味を示し、実際に活用する事例も増えてきています。事業やマーケティングにおいて今後重要な施策になってくることは間違いありません。
黎明期の今のうちから取り組んでいくことにより、WEB3.0時代も生き抜く企業になれるのではないかと感じます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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・参照記事
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